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業界人の《ことば》から 第56回

XPを使い続けても、何も起こらない……ことはない

法人・個人向け含めて約2000万台が、Windows XP

2013年09月12日 08時00分更新

文● 大河原克行

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今回のことば

「来年4月以降、なにも起こらないということはない。Windows XPを使い続けることは、自らのセキュリティに甘いということを全世界に発信しているようなもの」

(AOSテクノロジーズ・佐々木隆仁社長)

PCの需要が上向いてきた

 2014年4月にWindows XPのサポートが終了するまで残り7カ月となった。

 アプリケーションやデータの新たなOS環境へ移行する「ファイナルパソコン引越しシリーズ」を発売しているAOSテクノロジーズの佐々木隆仁社長は、「PCの需要は1~3月が底となり、4~6月に上向いてきた。7月、8月はかなり伸びてきている。一部販売店では、この1か月では前年比140%の販売実績になったという声も聞く。XPからの移行がいよいよ始まったことが背景にある」と語る。

法人向け市場では昨年11月時点で40%がXPマシンという調査もある

 しかし、その一方で、「法人向けPCでは約1200万台、個人向けPCを含めると約2000万台が、Windows XP。想定よりも移行が進んでいないと認識している。来年4月時点でも、その半分となる約1000万台のXPマシンの移行が完了していないのではないか」と語る。

 移行が遅れている理由はいくつかあるが、最大の理由は、移行に時間とコストがかかる点だ。

 佐々木社長は、「PCメーカーやシステムインテグレータなどの販社でも、自社内におけるXPから移行に関しては、現場の一人一人が手作業によって入れ替えているという話を聞く。ITリテラシーが高い会社でさえ、手作業に頼っている状況。1台のPCを移行させるのに要する時間は約3時間程度。ちょっとトラブルがあると、1日がかりになってしまうこともある。一方で、全国に支社がある企業では、情報システム部門の担当者が現地に赴いて作業をする必要もある。作業時間のコストだけでなく、移動に関わるコスト負担も少なくない」とする。

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