電気自動車は表彰台の夢を見るか
最近、ハイブリッド車や電気自動車など電気系エコカーがモータースポーツで話題になることが多い。ハイブリッドではSUPER GTでトヨタのプリウス、ホンダのCR-ZなどがGT300クラスで優勝したこともあり、認知度も高まっている。
電気自動車はどうかと言えば、袖ヶ浦フォレストレースウェイやツインリンクもてぎを舞台に、全日本EVレースが開催され、日産、マツダ、三菱、そしてテスラといったメーカー製電気自動車や、既存のガソリン車にモーターなどを移植したコンバートEVが凌ぎを削っている。特にこのシリーズでは日産が開発したレーシングEV「日産リーフRC」が圧倒的な速さを誇っている。
ハイブリッド車はともかく、電気自動車はおもに電気自動車のみのレースが開催されることが多く、既存のガソリン車やディーゼル車といった内燃機関車と争うようなレースや競技に参加することがなかった。
しかし、今年の7月27~28日に群馬県で開催された全日本ラリー選手権第5戦「モントレー in 群馬 2013」(以下モントレー)に純粋な電気自動車である日産リーフが出場し、大いに話題となった。ドライバーは自動車評論家として名高い国沢光宏さん。彼は日産リーフの市販が開始されるとすぐに、自動車ジャーナリスト業界でも初めてこの日産リーフを購入し、自家用車として活用するという電気自動車の研究と活用に非常に熱心な評論家である。
その国沢さんが、自身の所有する日産リーフをラリー車両としてモディファイし、このモントレーと8月23~25日に開催された「丹後半島ラリー2013」に出場したのである。国沢さん曰く「電気自動車だけの競技では何も生まれない。既存の内燃機関と競ってこそ電気自動車の真価がわかり、新しい発想や技術が生まれてくる」。この持論を元に参加した日産リーフはどんな走りを見せてくれたのだろうか。
