このページの本文へ

3人に1人が使うO2Oの先駆者 『アットコスメ』のすごみ (1/2)

2013年09月20日 11時00分更新

文●三浦たまみ

  • この記事をはてなブックマークに追加
本文印刷

 最新トレンドを実践するECサイトの企業に取材し、どのように成果をあげているのかをレポートする新連載。第1回に取りあげる最新トレンドは「O2O(オー・ツー・オー)」。「2017年度までにマーケット規模は約50兆円まで拡大する(野村総研)」と注目されている02Oだが、言葉が一人歩きしている感は否めない。そもそも、O2Oとはどのような施策を指すのか、以前から取り組んでいる企業を例に紐解いていこう。

注目されるO2Oの正体

 O2Oは「Online to Offline」といわれているが、一番分かりやすい実例は、飲食店やアパレルショップのソーシャルメディアやサイトに用意されているクーポン画面を実店舗で見せれば、特定の料理や洋服が割り引きされるといったものだ。

 しかし、今や、それだけはない。ソーシャルメディアからオンラインショップ、実店舗から別の実店舗(支店)への送客(または支店から他店への送客)、実店舗からオンラインショップへの送客など、その経路はさまざまだ。

 いまだ多くのO2Oはネットから実店舗への送客を指すことが多いが、その程度のことならばO2O、O2Oと喧伝しなくても、ネットと実店舗を連動させて相乗効果を狙う「クリック&モルタル(Click and mortar)」というビジネス手法が10年以上前から存在している。

 では、O2Oとクリック&モルタルは何が違うのか? 結論から言えば、ほぼ同義だ。

 ただし、ここ数年でネットを取り巻く環境は大きく進化し、フィーチャーフォンはスマートフォンになり、iPadなどの新しいデバイスが登場し、SNSも定着した。こうした変化により、オンラインからオフラインへの仕掛け作りの幅は格段に広がった。「2017年度までにマーケット規模は約50兆円まで拡大する」と言われるのは、このためだ。

 最新のO2O事情は、どのようになっているのだろうか。そもそも、企業はO2Oをどのように捉え、具体的にどのように取り入れているのだろうか。クリック&モルタルの時代からさまざまな試みをしてきた、O2Oの“先駆者”というべきアイスタイルに着目した。

O2Oの概念:ソーシャルメディアからオンラインショップ、ソーシャルメディアから実店舗、実店舗から別店舗、実店舗からオンラインショップなど一口にO2Oといっても、経路は多々ある。また、店舗とオンラインショップの在庫の一元化など、単なる送客の考え方だけにとどまらない奥深さがある

前へ 1 2 次へ

この連載の記事

一覧へ

この記事の編集者は以下の記事をオススメしています