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3人に1人が使うO2Oの先駆者 『アットコスメ』のすごみ (2/2)

2013年09月20日 11時00分更新

文●三浦たまみ

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蓄積した口コミデータ、商品データをオフラインにも活用

「ネットで蓄積したデータを活用して、オフラインを含むビジネスにどのように展開できるかを考えている」と語るリテールマーケティング本部部長の石井 亮氏

 アイスタイルは、1999年に化粧品の口コミサイト@cosme(アットコスメ)を開設して以降、利用者を右肩上がりに拡大させてきた。現在、同サイトで情報を閲覧できる商品は、22万点。百貨店でしか購入できない高級ブランド品から、ドラッグストアで手に入る低価格品まで、あらゆる価格帯、販売形態の商品情報が掲載されている。累計の口コミ数は、1080万件を超え、今や20〜30代の女性の3人に1人が日常的に利用するほどの超人気サイトに成長した。

 2002年には、オンラインショッピングサイト『コスメ・コム』を開設。さらに2007年には、初の実店舗『アットコスメストア』を新宿にオープンし、現在、上野店、渋谷店など6店舗がある。

 同社にとってのO2Oとはどのような位置づけなのだろうか。リテールマーケティング本部部長の石井 亮氏は、アイスタイルにおけるO2Oの位置付けを明快に語ってくれた。

「O2Oの定義が、『サイトから実店舗にいかに送客するか』だとするなら、当社は少し違います。当社は、これまでに集まった1080万件のクチコミデータやユーザーデータ、22万点の商品データなど、ネットで蓄積したデータを活用して、オフラインを含むビジネスにどのように展開できるかを考えているからです」

 図にすると下のようになる。図の中央にある「データ」とは、化粧品の商品データ、化粧品を使ったユーザーの感想データ、化粧品の人気ランキングデータなど、同社がこれまで集めた化粧品に関するさまざまなデータを指す。

アイスタイルの事業連携

 つまり、このデータは、生活者や企業が伝えたい、知らせたい情報が蓄積されたもの。それらを、@cosmeや、ショッピングサイト『コスメ・コム』などのオンライン上で活用・再編集したり、実店舗のアットコスメストアなどのオフラインでも連携させていく。これが、同社が目指してきたことであり、結果として、O2Oビジネスになっているのだ。

 では、実店舗との連携はどのようになっているのか。その具体的な手法は、次回でお伝えしよう。

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