2011年11月に登場したLGA 2011プラットフォーム向けのCPUが、ようやく第3世代Core iプロセッサーの「Ivy Bridge」がベースとなる「Ivy Bridge-E」に刷新。従来の「Sandy Bridge-E」と同様に、6コア/12スレッドモデル2種、4コア/8スレッドモデル1種が、近日店頭に並ぶ予定になっている。
ハイエンドプラットフォームのLGA 2011。6コア/12スレッドや、豊富なPCI Express 3.0(Sandy Bridge-EはGen2.0)のレーン数などが魅力
そんな「Ivy Bridge-E」の最上位モデルとなる「Core i7-4960X Extreme Edition」(以下:Core i7-4960X)を借り受けられたので、定番ベンチマークソフトでそのパフォーマンスをみてみよう。
約1年半ぶりの刷新で
ようやく製造プロセスが22nmに
「Sandy Bridge-E」から約1年半かけて世代交代し、ようやく製造プロセスが22nmになった「Ivy Bridge-E」だが、残念ながら劇的なクロック向上などはしておらず、TDPも130Wと「Sandy Bridge-E」世代の3000番台とほぼ同じだ。一応「Core i7-4960X」と同じ最大4GHzで動作する「Core i7-3970X」からは、20Wダウンしているので、製造プロセス22nmの恩恵はあるが、大きくはない。
| 各CPUの比較表 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| Core i7-4960X | Core i7-4930K | Core i7-4820K | Core i7-3970X | |||
| 開発コード | Ivy Bridge-E | Ivy Bridge-E | Ivy Bridge-E | Sandy Bridge-E | ||
| 製造プロセス | 22nm | 22nm | 22nm | 32nm | ||
| CPUコア数 | 6 | 6 | 4 | 6 | ||
| スレッド数 | 12 | 12 | 8 | 12 | ||
| 動作クロック | 3.6GHz | 3.4GHz | 3.7GHz | 3.5GHz | ||
| ターボブースト最大 | 4GHz | 3.9GHz | 3.9GHz | 4GHz | ||
| 3次キャッシュ容量 | 15MB | 12MB | 10MB | 15MB | ||
| 対応メモリー | DDR3 1866MHz | DDR3 1866MHz | DDR3 1866MHz | DDR3 1600MHz | ||
| TDP | 130W | 130W | 130W | 150W | ||
ただ、PCI Express 3.0に準拠していたものの、正式サポートはPCI Express 2.0までだった「Sandy Bridge-E」と違い、「Ivy Bridge-E」は40レーンのPCI Express 3.0をサポート。さらにクアッドコアチャンネルのメモリコントローラーがDDR3-1866に対応するなど、細かいところで進歩はしている。
「Ivy Bridge-E」のラインナップは、6コア/12スレッドで、クロック周波数が定格3.6GHz、ターボブースト時最大4GHzとなる最上位モデルの「Core i7-4960X」、6コア/12スレッド、定格3.4GHz、ターボブースト時最大3.9GHzの「Core i7-4930K」、そして4コア/8スレッド、定格3.7GHz、ターボブースト時最大3.9GHzの「Core i7-4820K」となっている。
対応チップセットは3000番台と同じ「Intel X79 Express」なので、「Ivy Bridge-E」対応BIOSにアップデートすれば既存のマザーボードで動作可能だ。なお、CPUクーラーを別途用意する必要があるのも同じだ。
「Core i7-4960X」の性能を
ベンチマークでチェック
「Ivy Bridge-E」の基本がわかったところで、さっそくベンチマークを試していこう。「Core i7-4960X」との比較対象には、「Sandy Bridge-E」の「Core i7-3960X Extreme Edition」(以下:Core i7-3960X)と「Core i7-3930K」。さらに「Haswell」CPUの鉄板モデルで、定格3.5GHz、ターボブースト時最大3.9GHz、4コア/8スレッド動作の「Core i7-4770K」を用意した。
| テスト環境 | ||
|---|---|---|
| CPU | Intel 「Core i7-4960X」 Intel「Core i7-3960X」 Intel「Core i7-3930K」 |
Intel 「Core i7-4770K」 |
| マザーボード | ASUS「Rampage IV Extreme」 (Intel X79 Express) |
GASUS「Gryphon Z87」 (Intel Z87 Express) |
| メモリー | PC12800 DDR3 4GB×4 | |
| ビデオカード | GeForce GTX 660 GDDR5 2GB | |
| SSD | CFD販売「CSSD-S6T256NHG5Q」(256GB) | |
| 電源ユニット | Seasonic「SS-750KM」(750W/80PLUS GOLD) | |
| OS | Windows 8 Pro(64ビット) | |
テスト環境には「Ivy Bridge-E」対応BIOSを適用したASUSの「Intel X79 Express」チップセット搭載マザーボード「Rampage IV Extreme」と、「Intel Z87 Express」チップセット搭載マザーボードのASUS「Gryphon Z87」を用意。なお、「Core i7-4960X」はDDR3-1866対応だが、一般的なDDR3-1600動作のメモリーでテストしている。

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