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直販市場のパイオニアに月刊アスキー遠藤元編集長が直撃取材!

20周年を迎える「エプソンダイレクト」の変わらぬこだわり

2013年08月30日 11時00分更新

文● 真島 颯一郎 写真●曾根田 元

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メーカーならではの強みを活かして出発

遠藤 とはいえ、98互換機もガンガン売っていた時期に、別会社を立ち上げてDOS/Vを売るのって、考えてみればなかなか過激ですよね。社内競合など、対立もあったのではないですか?

河合氏 対立はなかったと思いますよ。やっぱりデジタルの世界ってどんどん動いていくものだし、私たちは海外の状況も知っていたので、遠からずPC-98に代わってPT/AT互換機が国内でもスタンダードになっていくだろうということを、一番肌で感じていた会社でしたから。

DOS/V黎明期の思い出や苦労話で盛り上がる会議室。デルやコンパックなどの直販大手に対して、日本国内のユーザーに対するケアは絶対に譲らない。そういう気持ちでやってきましたし、今でもそう思っていますと、こだわりを明かしていた

遠藤 海外のビジネスモデルを日本に持ってくる際に、苦労されたことはなんでしょう。御社にはコンシューマーに直接売るノウハウもなかったので、窓口づくりから始められわけですよね。

設立当時は、インターネット環境が整備されていない時期で、ウェブサイトでの展開はしていなかった。現在では、豊富なメニューが用意されている

河合氏 当時は“直販のモデルを日本に持ち込みたい”という以上のことは、あまり深く考えていなかったんですよ。もちろん、デルさんのことは強く意識していましたが、何よりも“お客様が欲しいものを安く買える”ということが魅力的で、それを実現したかった。直販といっても今みたいに大きな市場じゃなかったし、受注のシステムも当初はウェブではなく電話でした。インターネットの普及で状況がどんどん変わっていったので、自分たちで考えて作っていくことが多かった。

遠藤 “手さぐりでも前に行くしかない!”みたいな。

河合氏 そうですね。最初の数ヶ月は、本当に手さぐりでした。ただ、製品には自信があったので、そこはブレませんでした。マシンそのものを作るノウハウと実績はありましたからね。もともと私たちはショップではなくメーカー。ただパーツを組み合わせるだけじゃなくて、自分たちで図面を引きますし、必要ならBIOSまで作ったりしていた。それは現在でも大きな強みです。

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