「Endeavor ST100」の流れを受け継いだ超小型デスクトップ
エプソンダイレクトが2006年に発売した「Endeavor ST100」には、非常に驚かされた覚えがある。ノートパソコン用のCore 2 Duoシリーズをベースにしたシステムを、容積が約2.7リットルという小型ボディーに詰め込み、しかも静かに動作したからだ。当時は、Mac miniの競合機種として大きな話題を呼んだ覚えがある。自作PCでそうした小型化と静音化にチャレンジしていた筆者でも、何度購入しようか迷ったくらい魅力的なメーカー製パソコンのひとつだった。
今回紹介する「Endeavor ST170E」は、型番を見ればわかるとおりそのEndeavor ST100の系譜に連なるコンパクトデスクトップパソコンだ。超小型ボディーにノートパソコン用のCPU(Haswell世代)をベースにしたシステムを組み込むというコンセプトは、初代から変わっていない。このコンパクトデスクトップパソコンの魅力を探るとともに、どういった使い方がマッチしているのかについても考えていこう。
ラインアップは2種類、最新プラットフォームに対応
「Endeavor ST170E」は、2012年6月に発売された「Endeavor ST160E」の後継モデルだ。DVDドライブまたはスーパーマルチドライブが選択できる「光ディスクドライブモデル」と、光学ドライブを搭載しない「45mmスリムモデル」の2タイプをラインアップする。最近では音楽配信やPCゲームもインターネット経由で購入できるようになっており、光学ドライブの使用頻度や重要性も低下している。また、ビジネスシーンでは、データ流出の危険性を抑える手法のひとつとして、光ドライブを非搭載にするケースも多い。必要な時だけ外付けドライブを接続するというユーザー向けに、より薄い光学ドライブ無しモデルを用意したわけだ。基本構成価格は光ディスクドライブモデルが7万1400円(税込)から。45mmスリムモデルが6万4050円(税込)からとなっている。
より小型化が進んだことがEndeavor ST160Eからの大きな進化ポイントだ。奥行きが185mm、高さは195mmで、従来から変化はない(スタンド装着時の場合、高さは203mm)。 一方の幅は、光学ドライブ搭載モデルが66mmでEndeavor ST160E(75mm)と比較して9mm薄い。また、搭載しないモデルは幅45mmなので同30mmも薄くなっている。
数字だけだとこの“サイズ感”が伝わりにくいが、身近なアイテムを並べて比較してみるとその小ささがよくわかる。奥行きと高さは週刊アスキー本誌よりもひと回り小さい。幅と高さは500mlのペットボトルより小さい。液晶ディスプレイと本棚の隙間、あるいは液晶ディスプレイの裏側など、わずかなスペースにも設置できる。