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米マイクロソフトが「Power BI for Office 365」を発表

現場社員をデータサイエンティストに!Office 365にBI機能

2013年07月10日 15時00分更新

文● 大河原克行

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 米マイクロソフトは7月8日(米国時間)、新たなビジネスインテリジェンス(BI)ソリューションとして「Power BI for Office 365」を発表した。その名の示すとおり「Office 365」のツールの1つとして提供される。

Office 365採用企業は「わずか数分」で導入可能

 この発表は、米テキサス州ヒューストンで開催されている「Microsoft Worldwide Partner Conference 2013」の基調講演において、米マイクロソフト サーバー&ツールビジネス担当プレジデントのサトヤ・ナデラ(Satya Nadella)氏が行った。

 Power BI for Office 365を、同社では「セルフサービスBIソリューション」と位置づけている。ナデラ氏は、「発見、分析、バーチャライゼーション、コラボレーションなどの機能において、威力を発揮するツール」と表現し、データ解析と可視化の機能を備え、オンプレミスおよびクラウドのデータから、洞察を支援することを強調した。

 「マイクロソフト製品を利用している企業のうち、4分の1はOffice 365を使用している。そうした企業が、わずか数分間でPower BIを導入することが可能になる」(ナデラ氏)

 Power BI for Office 365は、「PowerPivot」と「Power View」ツールにより、強力なデータモデリングと可視化機能を提供。大量のデータを基に、インタラクティブなチャートやグラフを利用して、情報の共有や新たな洞察の発見を支援する。

 さらに、従来の構造化データへの接続を容易にするだけでなく、データセンター内のHadoopクラスタや、Windows Azure上のHadoopサービス「HDInsight」に接続することを可能にする。

 またプロジェクトコード名“Data Explorer”と呼ばれていた「Power Query」では、Excel内で公開されたデータと、組織内のデータにアクセスできる。同じく“GeoFlow”と呼ばれた「Power Map」ツールでは、3Dによる視覚化を実現。データ結合などの観点からも、既存のExcelの機能を補完することができるという。

 同社では、Power BIを「データとの対話を可能にするツール」としながら、「顧客はより速く洞察を獲得することができるとともに、より効果的に自分の仕事を管理するための新しい方法となる。モバイルデバイス上で、リアルタイムに情報を共有することができる」としている。HTML5によって高い表現力を持つ表示が可能となっており、Windows 8/RT搭載デバイスやiPadなどでも、タッチ機能を利用しながらデータにアクセスすることができるとしている。

 さらに、ビジネスユーザーがすばやく検索し、データや報告書の共有化を行うための共同作業スペースである「BI Sites」なども提供する。

 同基調講演では、米マイクロソフト テクニカルフェローのアミル・ネッツ(Amir Netz)氏が、「ビッグデータ+インサイト」をテーマに、Power BI for Office 365に取り込んだ1955年から2013年までの音楽ヒットチャートのデータを活用し、どんなアーティストの楽曲が人気があったのかを、年代を追いながらビジュアルがダイナミックに変化するデモストレーションを行い、会場を湧かせていた。

テクニカルフェローのネッツ氏によるPower BI for Office 365のデモ。例えば2008年はマライヤ・キャリーやビヨンセが人気であったことが視覚的に表現された

「現場社員のデータサイエンティスト化に拍車」

 米マイクロソフト SQL Server&データプラットフォーム担当ゼネラルマネージャーのイーロン・ケリー(Eron Kelly)氏は、「今回のPower BI for Office 365によって、現場の社員までをデータサイエンティスト化する動きに拍車がかかる」と語る。

米マイクロソフト SQL Server&データプラットフォーム担当ゼネラルマネージャーのイーロン・ケリー氏

 クラウドサービスの普及やデータ量の増大、データ処理のニーズが増加するなかで、現場に近い社員がより簡素に、直感的にデータを活用できる環境が求められている。マイクロソフトでは、こうした動きに対応するためのツールがPower BI for Office 365であると位置づけているのだ。

 さらにケリー氏は、「Power BIはSQL Server、Excel、SharePointといった異なるプラットフォームをまたいで利用できるソリーションになる」と述べ、同社が提供するあらゆるプラットフォームにおいて、専門知識なしで活用できるBIソリューションとして展開できる強みをアピールした。

 マイクロソフトが今回、あえて“セルフサービス”という言葉を冠したとおり、専門知識を持たない社員がツールとして活用できるBIソリューションがPower BIというわけだ。

 「Excelを活用して“セルフサービスBIソリューション”をもたらすのが、Power BI for Office 365の特徴といえる。高価ではなく、しかも特殊なツールではなく、専門家でなくても利用できる」(ケリー氏)

 ビッグデータの分析、洞察の領域における戦略的ツールのひとつが、いよいよリリースされることになったといえよう。

 なお、Power BI for Office 365のパブリックプレビューは今年夏から提供開始の予定だ。

Power BI for Office 365のパブリックプレビューは今夏から提供開始

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