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エンタープライズのストレージ市場に本格参入

イメーション、高密度・省エネなNEXSANストレージを国内展開

2013年07月04日 13時30分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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7月4日、データ記録メディアを展開するイメーションは買収した米NEXSAN(ネクサン)のストレージ製品の展開についての発表会を開催した。デジタル記録メディアの落ち込みをカバーすべく、エンタープライズストレージの市場に本格的に参入する。

デジタル記録メディアのシュリンクをストレージで補う

 NEXSANは1999年に設立されたディスクアレイ装置のベンダーで、安価なATAディスクを高密度で実装したストレージ製品で知られている。今年の1月にデジタル記録メディア大手のイメーションが同社の買収を発表。今回、国内の事業展開を7月からスタートすることが発表された。

 今回のNEXSAN製品の展開の背景について説明したコマーシャル製品事業本部 取締役本部長である高橋秀明氏は、同社のビジネスの中心である光学・磁気などの記録メディアの市場が年々シュリンクしている現状を説明。エンタープライズのストレージ分野に進出し、トラディショナルなストレージ以外のストレージでの売り上げを大幅に拡大していくという世界戦略を説明した。

イメーション コマーシャル製品事業本部 取締役本部長 高橋秀明氏

 こうした戦略の中、2013年1月にNEXSANを1億2000万ドルで買収し、イメーションの事業ポートフォリオに加えたという。高橋氏は、「今までイメーションではSMB市場の売り上げが中心だったが、今後はエンタープライズに舵を切っていきたい」とその狙いを説明する。また、今までNEXSANの導入は北米が中心だったが、今後はイメーションが持つ販売網を活かし、グローバルの導入を拡大していく意図があるという。

独自技術による高密度・省エネなどが大きな売り

 続いて登壇したNEXSANの戦略と製品説明を行なったストレージ・ソリューション営業部 部長の渡辺浩二氏は、主力製品のNEXSAN Eシリーズを中心に、世界60カ国、1万1000社の導入実績があることを強調。特に導入業種の偏りはないが、「規模が大きければ大きいほど、高密度・省エネのNEXSANストレージのメリットが増す」とのことで、大企業での利用も多いという。また、日本法人がないにも関わらず、国内でも1000ユニット程度の導入事例があり、今回のイメーションにおける国内販売の開始により、より顧客を拡大できると説明した。

イメーション ストレージ・ソリューション営業部 部長 渡辺浩二氏

 現在のNEXSANはSANストレージの「E-Series」、NAS用ヘッドの「NST5000」、アーカイブ専用の「Assureon」の3つの製品群から構成されている。主力製品であるE-Seriesの最大の特徴は、引き出し型のドライブベイを採用した「Active Drawer Technology」により、HDDの高密度な実装が可能になっていること。3.5インチのHDDを240本実装する場合、ネットアップのFAS3240では43U必要なのに対し、NEXSAN E60sでは16Uで済むという。

カートリッジを引き出すとホットスワップでHDDの交換が可能

 また、ドライブを向かい合わせに実装することで、振動を相殺する「Anti-vibration Design」、ディスクの低音面を向かい合わせることで、高温面のエアフロースペースを確保する「Cool Drive Technolgoy」などにより、振動と発熱によるドライブ故障を低減。さらに、5段階でのきめ細かい電力制御のほか、使用頻度が低い場合はHDDや拡張筐体単位での電源停止を行なう「AutoMAID」なども実装しており、省エネという観点でも高い技術を持っているという。

さまざまな独自技術で高い耐障害性や可用性を実現

 日本での展開は、イメーション内にNEXSAN日本法人のような部隊を構築し、営業、プリセールス、マーケティング、サポート、品質管理までを行なう。「米国本国から最重要地域と言われている」(渡辺氏)とのことで、日本独自の「Nexsanパートナープログラム」を提供し、案件登録の仕組みやトレーニング、セールス支援などをパートナーに提供する。これにより、放送・映像分野や研究機関などが中心だった顧客層をより拡大し、売り上げにつなげていくという。

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