新型「Mac Pro」を“チラ見せ”
そしてAppleでは非常に珍しいのだが、まだ発売まで半年先の製品がSneak Peekの形で紹介された。それはなんと新型「Mac Pro」で、PowerMac G5版からおよそ10年近く基本デザインが変更されなかった同製品が大胆リニューアルされたものだった。
特徴的な円柱デザインだが、中にはUnified Thermal Coreと呼ばれる三角柱の巨大なヒートシンクが据え付けられ、まわりにプロセッサーやGPUが配置され、発生した熱を上部の巨大ファンで外部に排出する機構が採用されている。黒い円柱の外観は、このメカニックを覆い隠して、上部の排気口のみを露出したものとなっている。
サイズは直径が6.6インチ(約168mm)、高さが9.9インチ(約251mm)で、かなりコンパクトだ(関連記事)。
その一方、最新世代の6コアXeonをデュアル構成で並べた12コアプロセッサーに、ワークステーション向けGPUのAMD FireProをやはりデュアル構成で並べ、ストレージにはフラッシュベースのものを採用するなど、非常にハイエンドな作りになっている。
メモリーはECC DDR3、USB 3.0×4のほかThunderbolt 2×6を搭載し、HDMI 1.4を介して4Kディスプレーの接続が可能になった初めてのMacだという。その代わり、従来にあったドライブベイが省略されているため本体そのものの拡張性は低いものの、Thunderbolt 2といったインターフェースを活用して補ってほしいというメッセージと受け取っている。見た目に反してかなりハイスペックなマシンなため、映像クリエイターの中には外観から非常に興味を抱く人もいるかもしれない。
なお、Mac Proを紹介するビデオの中では「Designed by Apple in California」の部分が強調され、さらに「Assembled in USA」と紹介されている。つまり、最終組み立てと出荷工程は米国で行なわれる製品というわけだ。
昨今、雇用を米国に戻すようた米政府からびたびプレッシャーを受けているAppleだが、米国向けのMac出荷の一部で最終工程の工場を米国内に設置することを表明しており、Mac Proもまた仲間というわけだ。もっとも、前工程やサプライチェーンの多くはいまだ中国に存在しているわけで、あくまで最終組み立てという部分限定ながら、「Made in USA」にこだわるあたりはMavericksにも通じる部分だ。