基本は変わらず、さらなる使いやすさとパフォーマンスを求めて
「次なる10年」を目標に掲げたMavericksだが、今回の基調講演の内容では、現行のMountain Lionから画面や操作感は大きく変わらず、使いやすさとパフォーマンス面での改良を加えたマイナーチェンジ版の印象が強い。それだけ、OS Xとしての完成が近付いているということなのだろう。
タブ機能採用のFinderウィンドウ
まず、今回の改良として目立つのはFinder関係の部分で、従来までファイルの比較やドラッグ&ドロップによるコピー操作にふたつのFinderウィンドウを開く必要があったのが、Finder Tabsの機能により単一のFinderウィンドウで複数フォルダーなどを開くことが可能になった。
複数ウィンドウを開いていてもコマンドでひとつのウィンドウ上でタブ表示に変更できるほか、タブ間のドラッグ&ドロップも、いったんマウスカーソルをタブ上に重ねることで切り替えが可能。
タブ機能は、大画面のiMacユーザーにはタブ化はピンとこないかもしれないが、MacBook Airなど小さな画面のノートをメイン環境としているユーザーにはありがたい改良だろう。
iCloud上でも管理できるタグ機能
また、ファイルへのタグ付けが可能になり、フォルダーの概念を超えたファイル整理が行なえるようになった。「Important」といった既存のタグのほか、自身のカスタムタグを作成することが可能。
Finderのサイドバーにはタグが一覧表示されており、すぐに目的のファイルを引き出せる。もちろん、ひとつのファイルに複数のタグを付与することも可能だ。この操作はiCloudに対しても有効で、おそらく将来的なファイルシステムの伏線に近いものとなるかもしれない。
マルチディスプレー機能を拡張し、利便性が向上
マルチディスプレー機能も強化されており、ディスプレーごとにフルスクリーンモードを設定して他の画面に影響を与えないようにすることが可能なほか、Mission Controlを介して複数のディスプレー間で簡単にウィンドウの相互やり取りができるなど、中途半端だった印象のあるマルチディスプレーサポートやMission Controlがより有効的に利用できるようになった。大画面TVをすぐにディスプレー代わりに流用できるなど、使い方次第では出張先の作業効率をうまく高める効果が期待できる。