米アップルは現地時間10日、開発者イベント「WWDC 2013」でモバイル向け新OSのiOS 7を発表したが、その機能の1つとなる音声認識機能Siriでは、標準の検索エンジンとしてマイクロソフトのBingを採用。SiriはBingでの検索結果を答えることになる。
また、ツイッターやウィキペディアとも新たに統合しており、ツイッター上で誰が何を言っているのかSiriに尋ねたり、ウィキペディアでの検索結果をSiriに答えてもらったりすることが可能。加えて、デバイスの設定を変更できるほか、留守番電話の音声再生も行える。
音声は女性だけでなく男性にも対応。iPhone 4以降とiPad 2以降、iPad mini、第5世代iPod touchの無料ソフトウェアアップデートとして今秋に正式リリースされる予定だが、当初は英語とフランス語、ドイツ語のみで、その他の言語も随時追加の予定だという。
新Siriで注目されるのは、米ウォール・ストリート・ジャーナル(THE WALL STREER JOURNAL)が指摘するように、Bingを標準の検索エンジンにした点だ。従来のグーグルから切り替わったため、検索市場でのBingのシェア拡大が期待される。しかし、ユーザーはSiriでのグーグル検索を指定できるため、Bing利用の増加は限定的だ。さらに、iOS 7のWebブラウザSafariは標準の検索エンジンが従来どおりグーグルのままである。
つまり、マイクロソフトが検索市場シェアトップのグーグルに対して巻き返しを図れるまでの効果は見込めず、あくまでグーグルへの依存度を低くしようとするアップルの取り組みの1つでしかないわけだ。