四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第122回
コミュニティーを作り、そしてコミュニティーに入っていきたい
KORGの音楽教室からコミュニティーが生まれる?
2013年06月08日 12時00分更新
一人ひとり出てくる音がまったく違うのに驚いた
―― プロモーション以外にこうしたイベントをやる意味はどこにあるんでしょう?
蛭田 我々が作っているのは楽器なので、それを使ってお客様に楽しんでいただきたいわけです。お客様の目線から見たら、ピアノもkaossilatorも一緒だと思うんですよね。例えばYouTubeを見て、坂巻がなにか演っているのを見て、面白そうだけど自分にできるのかな、とピアノと同じように二の足を踏んでしまっているんじゃないかとか。
坂巻 あと僕にとっては普段のイベントと同じだし、僕にとってイベントというのはリサーチの場なので。
―― 普段から坂巻さんは本当にいろんなイベントに出ていますよね。
坂巻 僕は自分の作った製品を使っている人に会うのが好きなんですよ。オトトイの学校を定期的にやっていれば、毎回20人くらいの人に会える。それで実際、めちゃくちゃ参考になるんですよ。みんながkaossilatorのことをどれくらい分かるかも、分からないかも。それにkaossilatorって、キーとスケールが同じなら、できる音も似たようなものだろうと思うんですが、実際は全然違ったものが出てくる。
Y.K 特に1クール目のときは、うわっ! こんなんなのかって、カルチャーショックでした。初めて触る人に一から触り方を教えたはずなのに、出てくる音があれだけ違う。
坂巻 目からうろこでしたよね。感動で泣きそうになりましたから。音を一人ひとり聴いていって。
Y.K kaossilatorの音色はプリセットなので、音は作れないんですが「これ、聴いたことないんだけど何番の音?」みたいな音が出てくる。どうしたの? って言ったら「テンポを一回下げて打ち込んで、速くしてやろうと思ったら、音が変わっちゃったんです」って。それがめちゃくちゃカッコ良かったんですよ。
坂巻 すごく勉強になりましたね。同じようなセッティングで同じような音を使っていても、想定していた以上に個性が出るというのが知れて。これは次の製品に活きるだろうと思いますね。
―― 参加する方も、上手い下手で評価されたり、ほかの受講生と差が付くのが怖いから、こういう教室に来るのが怖かったりするんですが、kaossilatorの場合それはないということですね。
Y.K 下手上手いじゃなくて、センスだけが100%出てきちゃうんですね。とんでもないものだったり、音として面白かったりという、センスの違いだけなので、全部楽しいんですよね。参加者の間でファンができていたり。参加者の女の子が「あなたがいつも発表するループ好きなんです」とか、ほかの参加者に言っていたことがあって。
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