動画の強みを活かしサポートで差別化
スカイプは、LINEやcommなどのライバルたちをどう見ているのだろうか。チャットアプリとスカイプを比べた場合、必ずしも競合には当たらないというのが田中氏の見解だ。
「スカイプの強みはビデオ機能。ビデオとチャットは、使い方や利用頻度が異なります。チャットアプリとスカイプを比べるのは、ちょっと違うのかなという気がします」(田中氏)。
では、Googleの「ハングアウト」はどうだろうか。チャットに加え、ビデオ通話もできる。スマートフォン(スマホ)寄りのチャットアプリより、位置づけはスカイプに近い。
田中氏はハングアウトの使いやすさを認めつつ、「音質や動画品質についてはまだスカイプが上」と指摘する。またビジネス用途で利用する場合は、サポートの有無が大きな差別化になるという。
「マイクロソフトにはカスタマーサービスのチームがあります。スカイプを利用頂いている企業さまには、きちんとしたサポート体制を付けられると思います」(田中氏)。
スカイプの音声通話やビデオ通話機能を活かし、トラブルがあってもその場でマイクロソフトから手厚いサポートを受けられるというのは、ビジネスの現場では魅力だ。
では、スカイプ自体を他社のサービスに組み込み、サポート用途などで使ってもらうビジネスの可能性はないのだろうか。
田中氏は「その件についてはノーコメントです」としつつも、興味深い例を語ってくれた。
「かつてSkype社がeBayの傘下にあったとき、eBayのウェブサイトにクレームが来たときにスカイプが起動し、カスタマーの顔を見ながらサポートしていくというアイデアがありました」(田中氏)。
スカイプの応用範囲は広い。今後は介護や医療といった分野にも、積極的に乗り出していくという。「スカイプを生活の役に立てたい。今年から来年にかけていろいろな施策を打っていきますので、ぜひ期待していて下さい」(田中氏)。