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Twitterの未来は日本人が決めるのかもしれない

2013年06月05日 07時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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日本の「緊急地震速報」は携帯電話
アメリカの「Early Warning」はTwitter

日本では携帯電話で「緊急地震速報」の仕組みが発達しました(写真は2009年)

 日本では全国に設置された震度計をネットワーク化することで、地震の揺れが到来する直前に規模を知ることができる「緊急地震速報」が整備され、携帯電話に搭載されたり、これを受信するアプリが公開されている。

 カリフォルニアも地震の多いエリアではあるが、こうした速報の仕組みはまだ一般には利用されていない。

 こうした発生の直前、あるいは瞬間に警告を発する仕組みを、英語では「Early Warning」と呼んでいるが、TwitterはこのEarly Warningのメディアとしての役割をより強めている。2012年に東海岸を襲ったハリケーンSandyや、ブリザードといった自然災害の速報や情報共有で、Twitterは威力を発揮してきた。

 「ハリケーンSandyのとき、人々は自分の目の前の状況をTwitterで伝えていました。Twitterに今現在の情報が集まり、メディアのニュースルームだけでなく、その情報を必要としている人にも直接伝わります。メディアと一般の人々がニュースのソースを提供したり、伝えていない情報を補足したり、新たなレイヤーを追加したりして、事実を素早く知る場を作り上げているのです」(Wickre氏)

昨年11月に東海岸を襲ったハリケーン「Sandy」(米国国立気象局データ)

 この仕組みを上手く回すためには、情報の分類とフィルタリングが重要だとWickre氏は指摘している。そのためTwitterでは、ニュースごとにハッシュタグを集約したり、防災に役立つリストを共有してフォローできるようにするなど、「情報の交通整理」という役割の編集をTwitterのタイムラインにかけている。

 もちろんまだ完璧ではないものの、必要に応じて形を変えながらのライブな編集にチャレンジしている。

 またWickre氏は、マスメディアがフォローしない身近な事件を知るツールとしての活用を体験してみてほしいという。

 「例えば、サンフランシスコの市内でけたたましい消防車のサイレンが鳴ったとき、あるいは家の近所でパトカーが集まってきたとき、その瞬間はテレビをつけても、何が起こっているかを知ることはできません。おそらく30分から1時間たって、ヘリコプターが飛んでからになるでしょう。しかしTwitterで地名や位置情報から検索することで、何が起きたか、その場の写真などを見られる可能性が高まります」(Wickre氏)

 Twitterの情報網は人々のボランティアによって構築されつつあるが、速報性と情報の信頼性をいかに確保するかについて、Twitterのサービスとしての工夫とユーザーの学びの両方が必要と考えられるだろう。

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