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海外の有名ライブハウス50ヵ所以上の音作りが楽しめる

あのライブハウスの臨場感を、iPhoneで再現できるとしたら

2013年05月17日 12時00分更新

文● コジマ/ASCII.jp編集部

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会場ごとに雰囲気はかなり異なる
自分だけの夢の公演を妄想できるアプリなのだ

 使い方はそんなに難しくはなく、iOS標準の「ミュージック」アプリとほぼ同じだ。曲を選んで再生したら、あとは会場を選ぶだけでいい。聴き比べてみると、やはり場所ごとに音の違いは歴然。筆者は収録されている場所全てを知っているわけでは当然なく、「実際にこんなふうに聴こえるものなのか?」ということに関してはなんともいえないが、少なくともそれぞれに個性があるということははっきりと聴き取れる。

「ミュージック」のように、iPhone内の楽曲をアーティストからもアルバムからも検索できる。筆者はアルバムアートを入れないものぐさなので、画面がやや寂しいのはご容赦いただきたい……

X JAPANがワールドツアーの会場の一つに選んだことで知っている人もいるかもしれないRiviera Theatreで聴いてみる。かなりリバーブが深い感じだ

ニューヨークのArlene's Groceryに切り替えてみる。あまり残響がなく、ステージとの距離が近い感じに聴こえる

 このアプリの使い方でオススメしたいのは、60年代や70年代の楽曲を本アプリで再生するという遊びだ。もはやライブを聴くことなどかなわない伝説のロックバンドの勇姿や、今や大御所となったソウルマンたちの若かりし頃の姿が蘇るようで、なんとも楽しい。

 また、海外のミュージシャンには根っからの気むずかしやで、なかなか来日しない人、来日公演が決まったと思ったらキャンセルばかりという人もいる(筆者もよく泣かされる)。日本でもライブを聴くためだけに海外に行く人はいるが、そんな芸当は誰にでもできるわけではない。そこでこのアプリの出番、というわけだ。

今年来日を果たしたシュギー・オーティスが、アルバムを出した70年代にこんなライブをしていたのでは……という妄想ができる。ややマニアックか

コンサートを忌避し生涯レコーディングに没頭した鬼才ピアニスト、グレン・グールドをドイツのライブハウスで演奏させるというトンデモなことも可能だ

 収録されているライブハウスで熱い一夜を体験したぜ! という人なら、当時の思い出が懐かしく蘇ってくるに違いない。もちろんそんなことを知らずとも、会場を適当に選んで、「あー、こういう音響でライブを聴けたらいいなあ」と楽しめるのもいいところだ。

再生している曲名をツイートする機能もあるのだが、“at ○○”とライブハウスの名前が入るため、「えっ、あのバンドが今日ライブしてたの!?」と誤解されるおそれが大いにある。ジョークとしてはアリかも

 しかし中には、俺が聴いたあのハコの音はこんなものじゃなかった、と感じる人がいてもおかしくはない。そんなこだわり派のため(かどうかはわからないが)、本アプリにはイコライザー機能もある。これで自分好みの音にいじればいいじゃない、というわけだ。「あのバンドがこのライブハウスに出たらこんな感じかもしれないけど、とにかくライブだとあいつらベースがブリッブリなのよね、そこも再現したいわあ」というニーズにもばっちり応えてくれる。

「あのライブハウスの熱気はこんなもんじゃない」「このバンドならもっと高音がガリガリするはず」みたいなワガママはイコライザーでかなえましょう

 日本人の我々としては、このアプリを使って、あのバンドが世界進出したらこうなるかも……とニヤニヤするのも楽しいかもしれない。ところで個人的な要望としては、ぜひ日本のライブハウスも再現してほしいもの。たとえば、「新宿LOFT」風、「下北沢屋根裏」風、「京都磔磔」風という具合に。残念ながら去年の6月以降アップデートはされていないようだが、もし更新の予定があるのなら、日本の会場を追加することも視野に入れてほしいと筆者は切に願っている。

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