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業界人の《ことば》から 第39回

アベノミクスは、日本のモノづくりを守れるか

円安で好業績のトヨタ、一方で今夏のPCは5~8%の価格増とする声も

2013年05月14日 09時00分更新

文● 大河原克行

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今回のことば

「アベノミクスの3本目の矢である成長戦略は、『製造企業がんばれ!』という風にも聞こえる」

(トヨタ自動車・豊田章男社長)

トヨタはいいクルマを作るという会社に変わってきている

 トヨタ自動車が発表した2012年度連結決算は、売上高が前年比18.7%増の22兆641億円、営業利益は271.4%増の1兆3208億円、税引前純利益は224.3%増の1兆4036億円、当期純利益は239.3%増の9621億円となった。

 営業利益では1兆円を突破。単独決算でも単独決算でも、2008年3月期以来、5年ぶりに黒字を確保するなど、同社の回復ぶりを印象づけるには十分な決算内容となった。

驚愕のピンクで登場したクラウン アスリートS。これは2013年末に登場する予定の限定色とのことだが、セダンの冬の時代に、2月の登録台数でクラウンは9668台と前年比約300%の高い人気を博している(自販連調査)

 だが、トヨタ自動車の豊田章男社長は慎重に姿勢を崩さない。

 「円高が是正され、米国市場での回復、新興国での成長による回復が見込まれる。これまでの逆風が収まり、いざ攻勢の時という声も聞かれるが、トヨタはまだ持続的成長のスタートラインに立ったところである」と豊田社長。「持続的成長を遂げるには、もっといいクルマを作るしかない。真の競争力をつけなくてはならない」と続ける。

 そして、「最初は、もっといいクルマを作るとはどういうことなのか、という厳しい指摘もあった。だが、クラウン、アバロンをはじめとして、いいクルマが登場したことで、その理解が進んだ。トヨタはいいクルマを作るという会社に変わってきている」と、企業体質が転換してきていることに手応えを示す。

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