アプリケーションを通じて、新しい付加価値を提案したい
── Windows 8はタッチの部分に関心が行きがちだが、既存のパソコンユーザーから見ると、レスポンスが高速といったメリットがある。こういった特徴をもっとアピールしていくべきではないか。
村上 「Windows 8はセキュリティー面でも強化されています。しかしタブレットOSというイメージが完全にできあががってしまっていて、法人の顧客でもタッチは特に求めていないからという、拒絶反応が見受けられるのは残念です。
キーとなるのは、やはりアプリケーション。キラーアプリケーションが出てくれば状況は変わってくるでしょう。ここはむしろ法人向けで面白いものが出てきています。
会議におけるmoreNOTEの活用例:動画はiPad版を中心に解説
ペーパーレス化の流れの中で、タブレットを活用するのがひとつの例です。富士ソフトの“moreNOTE”は、プレゼンターの提示した画面を、ひとりひとりが持つタブレットに同時配信できるものです。プロジェクターでスライドを投影し、手元には紙の資料を配布する、従来の方法とは異なるスタイルで会議を進行できます。
moreNOTEの発表時には会場に200台のElitePadを並べて、手元でプレゼンテーションの資料を確認できるようにするなど、協力関係を築いています。まずはWindows 8タブレットで具体的に何ができるかをアピールしていくことが重要だと思っています」
コンバーチブル型タブレットの規模を倍に増やしたい
── HPはピュアタブレット型のElitePad 900に続き、コンバーチブル型のRevolve 800というモデルも投入しているが。
村上 「タブレットに関してはいくつかのポートフォリオを持っています。ElitePad 900のようなピュアタブレット、Revolve 800のようなコンバーチブル、そして法人向けではありませんがENVY X2のような着脱式のタイプ(トランスフォーマーやリタッチャブル)。この3種類がメインになっていくとHPでは考えています。
法人向けとしてはピュアタブレットとコンバーチブルを出しました。まだ市場を見極めつつ議論している段階ですが、次はリタッチャブルを検討していくことになるでしょう」
── タッチ機能を備えたパソコンの割合は今後どのように推移するか。
村上 「割合としては依然通常のノートパソコンが圧倒的ですが、今年はタブレット市場が拡大し、ニーズが高まると考えています。タッチ操作の広がりとともに、ピュアタブレットにするかコンバーチブルにするかという新たな選択が生まれてくると思います。
ピュアタブレットにはひとつの世界がある。キーボードなしで使えるため、今までITが入れなかった領域に進んで行けるのです。立ったままで仕事ができ、頑丈さも兼ね備えた製品は保守用途や工事現場などといった場所で求められています。
コンバーチブル型はWindows 7以前から出してきましたが、従来は特定業務やペンのニーズがある学校などニッチな市場向けでした。Revolveはまだ発表したばかりで未知数ですが、倍ぐらいの規模には育てていきたいと考えています」