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仮想アプライアンスや無線LAN製品にも注力

ウォッチガードCEOに聞いた不動の成長戦略

2013年05月01日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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UTMアプライアンスを展開するウォッチガード・テクノロジーは、堅実な成長を実現しているという。好調なビジネスの背景について、米ウォッチガードCEOのジョー・ワン氏に聞いた。

好調な業績を支える3つの理由

 「2013年のQ1は米、ヨーロッパが好調だった。結果として記録に残る売り上げとなった」。CEOのジョー・ワン氏は同社の最新ビジネス動向をこう説明する。同氏は好調な理由として、ミッドマーケットの成長を挙げる。「ウォッチガードというとSMBマーケットに強いと思われているが、最近では500~1000名くらいの企業のミッドマーケットで成功しつつある。それが好調な業績につながっている」。

米ウォッチガードCEOのジョー・ワン氏

 製品面での差別化ポイントとしては、他社の優れた技術を組み合わせたBest Of Breed戦略が挙げられる。「あくまで自社開発にこだわる競合ベンダーもあるが、弊社は業界でもっとも優れた技術を活用している。攻撃が巧妙化する中、これを防ぐ技術を一社でまかなうことはありえない。Best Of Breed戦略により、市場にタイムリーに製品を投入できる」と述べる。

 2つ目に挙げたのは、やはりUTMとしてのパフォーマンスだ。「他社はあくまでファイアウォールの性能をアピールしているが、アンチウイルスをオンにした場合はパフォーマンスが落ちる。弊社はUTMの機能をオンにした際のパフォーマンスを重視している」という。2月には、新製品となるXTM 800や1500、2520などを発表。特に新製品の「XTM1500」は、従来2Uのアプライアンスで実現していた高いパフォーマンスを1Uで実現し、人気の高いモデルとなっているとのこと。

コストパフォーマンスの高さが売りの「XTM1500」

 3つ目は、リモートマネジメントだ。スモールビジネスでの使いやすさを追求する同社のUTMは、セットアップやモニタリング、レポートなどの管理機能が充実している。最近では「Rapid Deploy」の機能を提供し、アプライアンスを現地に設置し、ネットワークにつなげば、クラウドから自動的にコンフィグを流し込む仕組みが提供されている。「現地に行って、設定しないで済む。非常にユニークな特徴だ」とアピールする。

MSSPやサービスプロバイダー市場にも注力

 デルによるソニックウォール買収、次世代ファイアウォールの台頭、サンドボックスやクラウド重視の製品など、セキュリティ製品の市場も刻々と変化しているが、ワン氏は「われわれから見た市場は、あまり変わってない」と述べる。市場について、「直販にフォーカスするような動きも一部のベンダーにはあるが、われわれは変わらずパートナーを介した販売体制を強化し続ける。パロアルトネットワークスのようなベンダーは大規模なネットワーク、ハイエンド顧客に向いており、あまり競合しない」(ワン氏)と分析。コストパフォーマンスの高いUTMをパートナー経由でSMB・ミッドマーケットに投入していくという戦略は、この数年一貫したものだ。

 今後、伸張が見込まれる分野としたのは、セキュリティのアウトソーシングを担うMSSP(Managed Security Service Provider)だ。日本では、ソネットビジネスアソシエイツが6月から開始する法人サービスでウォッチガード製品を採用する。おもに300~500名くらいの企業をターゲットに、回線といっしょにアプライアンスを提供し、運用管理までを月額課金で請け負うという。

 チャレンジ分野であるデータセンターやサービスプロバイダーの市場においては、高速なハイエンド製品、XTMやXCSの仮想アプライアンスの導入を進める。「マルチテナント型のサービスを展開するサービスプロバイダであれば、1つの箱で複数のテナントを持てるので、導入効果も高い」と、ニーズをほり越していくという。2013年は、ハードウェアよりむしろソフトウェアの拡充に注力し、管理機能などを強化する。また、日本市場においては無線LAN搭載のモデルを投入していく予定となっている。

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