欲しいのに、買いたいのに、売ってない!
『KAJIN』がオープンしたのは、今から13年前の2001年。「いつかは起業したい」という夢を抱いていた林さんは、結婚後も会社員として働きながら『KAJIN』を立ち上げ、しばらく、二足のわらじを履く生活を続けていた。
「『KAJIN』という店名こそ同じですが、商品のラインアップは、今とは全然違いました。当時は、アジア雑貨もあればカジュアルな子ども服もあるなど、いかにも雑多な感じでした。子どものフォーマルウェアは、ほんの少し販売している程度でしたね」
しかし、このフォーマルウェアが、お客様からのお問い合わせが多く、商品回転率も他の商品に比べて高かったのだ。
「ちょうど同じ頃、当時、6歳だった娘のピアノの発表会で着るためのドレスを、いくつかのお店を回って探してみたのですが、全然なかったんです。欲しいのに、買いたいのに、売ってない。私と同じように感じているお母さんは、たくさんいるだろうと思いました」
この経験を活かして、林さんは、2003年5月、脱サラして法人化するのを機に、子ども服のフォーマルウェアに特化したお店で勝負しようと決意。“新生KAJIN”として、新たなスタートを切った。
フォーマルウェアに特化したことで、お客様は、何を売っているお店かすぐに分かり、お店にとっても、打ち出す商材が明確になったことで、サイト上でアピールしやすくなった。広告出稿も絞り込んだキーワードで勝負できるようになった。
それから、ちょうど10年。当時の年商は約480万円だったが、現在は、2億4000万円。実に50倍近くまで伸びたのである。