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業界人の《ことば》から 第28回

転換期を迎えるシャープのビジネス

オンリーワンはホームラン狙い、スモールヒットの経営へ

2013年02月26日 09時00分更新

文● 大河原克行

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久しぶりの営業黒字

 先頃、シャープが発表した2012年度第3四半期連結業績は、第3四半期累計で、売上高は前年同期比6.4%減の1兆7824億円、営業損失はマイナス1662億円の赤字、経常損失はマイナス1991億円の赤字、当期純損失はマイナス4243億円の赤字となったが、第3四半期単独(2012年10~12月)の売上高は前年同期比15.1%増の6782億円、営業利益は270億円改善の26億円の黒字となった。

シャープの四半期別営業利益の推移

 本業の儲けを示す営業利益が黒字となったのは、四半期単独でみて、5四半期ぶりのことだ。同社では、第4四半期単独でも112億円の営業黒字計上を計画しており、下期で138億円の営業黒字確保を目指している。

 再建中のシャープは、主力取引銀行からの融資による支援を受けるためには、下期の黒字転換が条件となっている。その点でも第4四半期の黒字確保は必達目標となっており、正念場を迎えているところだ。キャッシュ重視の徹底は、待った無しで求められる体質転換だといえよう。

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