2012年11月のデビュー以来、自作PC界の話題を一気にさらった感のあるインテルの小型PCフォームファクターNUC(Next Unit of Computing)対応のマザーボードと採用ベアボーン。今回の特集ではそのNUCにスポットを当て、全3回にわたりあれこれと解説および検証をしていきたい。
第1回はNUCの基本から、対応マザーボードやベアボーン、さらに対応の周辺機器を紹介していこう。
約10cm×10cmの超小型規格“NUC”とは?
すっかり秋葉原のパーツショップでは市民権を得た格好のNUC。「もう知ってるよ」という人から「え?久々に自作をしようと思ったら、なんだか見たことのないものが……」という人まで、まずはここで1度おさらいをしておこう。
Next Unit of Computing、略して「NUC」とは、インテルが提唱する101.6×101.6mmサイズのマザーボード独自フォームファクターだ。マザーボード規格としては小型フォームファクターの代表格であるMini-ITXがあるが、こちらは17cm×17cmというサイズ。一辺につき7cmも短いNUCがいかに小さいかがお分かりかと思う。
サイズが小さくなることで得られるメリットは大きく、インテルの言葉をそのまま借りるのなら「デジタルサイネージからポータブル機器にいたるまで、製品設計の可能性を広げる」ということになる。実際にベアボーンにはVESAに対応したマウンターが標準で同梱されている。液晶ディスプレイ背面のVESAマウンターに装着すれば、容易にディスプレイ一体型PCを自作できるというワケだ。
また、ひと昔前であれば小型イコール非力というイメージだったこの手のマザーボード。ところがNUCで採用されるCPUは、IvyBridgeベースのモバイル向けモデル「Core i3-3217U」(2コア/4スレッド/1.80GHz/L3キャッシュ3MB/TDP17W)で、組み合わされるチップセットはIntel QS77 Express。内蔵のビデオ機能としては実行ユニット16基の「Intel HD Graphics 4000」となり、一般用途のVGAとしては文句のないスペックを誇る。そのほか、メモリースロットはDDR3 SO-DIMM×2という構成で最大16GBまで搭載可能。また、拡張スロットにはPCI Express Mini Card×2が用意されている。
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