使いやすいキーボードとマシンのパワーを瞬時に切り替える「STAMINA/SPEEDモード切替スイッチ」
「VAIO Sシリーズ13P」のキーボードは87キー構成の日本語配列で、キーとキーの間が離れたアイソレーションタイプだ。キーピッチは約19mmと大きく、中央がやや凹んでいるために打ち損じが少なくて使いやすい。キーストロークは約1.7mmと深めだが軽いタッチでも入力可能だ。たわみはあまり感じられず、全体的に使いやすいキーボードと感じだ。
「VAIO Sシリーズ13P」のタッチパッドの大きさは実測で約幅119×奥行き62mmと大きくて使いやすい。ボタンとパッドが一体化したクリックパッドタイプで、パッドの左下が左ボタン、右下が右ボタンに該当する。使っていて気になったのは、小ぶりなスペースキーを押す際に、カーソルがやや動いていしまう状況があったことだ。長文を入力する際は、パッドを一時的にオフにしておくとよいだろう。
「VAIO Sシリーズ13P」でユニークなのは、タッチパッドでタッチパネル風の操作ができる点だ。Windows8はタッチ操作に対応しているが、VAIO Sシリーズ13Pの液晶ディスプレーはタッチ機能に対応していない。しかし、タッチパッドの外側から中心に向かって指をスライドさせることで、チャームバーやアプリメニューなどを簡単に表示できるのだ。
キーボード上部にはさまざまなボタンが配置されている。右側には電源ボタンのほかサポートソフト「VAIO Care」を呼び出す「ASSIT」ボタン、ブラウザーを起動する「WEB」ボタン、登録ソフトを起動する「VAIO」を用意。特に重要なのは「ASSIST」ボタンで、PCの不調の原因やアップデートの有無を確認できる。さらにASSISTボタンを押しながら起動することで、起動しなくなったシステムの修復が可能だ。
キーボードの左側には、光学ドライブのイジェクトボタンに加え、STAMINA/SPEEDモード切替スイッチが用意されている。STAMINAモードとは電力消費を抑えたいときに利用するモードで、このモードに切り替えるとグラフィックス機能がCPU内蔵のIntel HD Graphics 4000に、ウィンドウズの電源設定は「バランス」に切り替わり、ファンの動作音も抑えられる。SPEEDモードは逆に高いパフォーマンスを出したいときに使うモードで、グラフィックス機能はNVIDIA GeForce GT 640M LEに、ウィンドウズの電源設定は「高パフォーマンス」に切り替わるが、ファンの動作音も最大になってしまうのがネックだ。
モバイル用途としては最適な液晶ディスプレー
「VAIO Sシリーズ13P」が搭載する液晶ディスプレーのサイズは13.3型で、解像度は1600×900ドット。液晶表面は光沢のあるグレア仕上げだが、低反射コートが施されているため光の映り込みが抑えられている。照明のすぐ近くにでも位置しない限り、映り込みが気になる場面は少ないだろう。
1600×900ドットの解像度は、モバイルノートしては十分だ。最近は1920×1080ドットのフルHD表示が可能な製品も多いが、フルHD表示ではドットピッチが狭くなってしまい、文字が読みにくくなってしまう欠点もある。1画面あたりの情報量が多いのは魅力だが、モバイルノートとしての使いやすさを考えるのなら、「VAIO Sシリーズ13P」の13.3型で1600×900ドットの組み合わせがベストだろう。
また映像出力端子として、HDMI端子のほかにアナログRGBも用意されている点に注目したい。仕事でプロジェクターなどを利用する場合、少し古いモデルだとHDMI端子に対応していない場合も多い。しかしアナログRGB端子が用意されていれば、ほぼすべての映像出力機器に接続できるだろう。最近はアナログRGB端子を搭載していないマシンも多いので、ビジネス向けに使うのであればチェックしておきたいポイントだ。
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