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Facebookで1000万いいね!「Otaku」が世界で成功したわけ

2013年02月20日 07時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)/アスキークラウド編集部

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「何より重要なのは、ブランドイメージを高めること」

 出資は集まり、成長もした。しかしTOMの収益化はまだ先の話だ。

 投稿ひとつで数万人の「いいね!」を集めるTOMに、広告を出そうと考える日本の会社は多い。だがTOMはその依頼をすべて断ってきた。理由は「(サービスそのものが)完成できていないので」という謙虚なものだ。

 「広告の効果がまったく出なかったり、そもそもユーザーが広告を邪魔だと思ってしまうような状況は避けたいんです」

 広告主とユーザー、両者にメリットがある展開を新潮に考えているという亀井さん。そこでひとつ大事にしたいと考えているのは「『オタク』をブランド化すること」だ。ショップ機能を持たせたことも、ブランド化に関わりがある。

 「BEAMSやSHIPSのバッグを持って大学に行ってた人、いたじゃないですか」

 メディアにとって、大切なのはブランドイメージだ。自分たちのショップに価値づけをすることで、メディアの価値そのものを高めようというねらいがある。

 ネットサービスだからといって、ネットの中だけでブランド展開をする必要はない。バッグの話はその一例だ。

 その発想は意外なところにも顔を出す。昨年カメラアプリ『オタクカメラ』をリリースしたのも、普段の何気ないおしゃべりの中から、TOMにふれるきっかけを作ろうと思ったからだ。

 「たとえばカフェに行ったときもTOMの話をしてほしいなと思って」

 エンジニアの天才的なアイデアだけで事業を続けることはできない。重要なのは、そのアイデアを事業化する際にどう形として見せるかだ。亀井さんは「Webって、やろうと思えばすぐ似たようなものができるじゃないですか」と、冗談めかした口調で言う。

 「大事なのは、考えたことをどのように事業として実行して、その事業を強くできるか。事業を強化する方法のひとつに、『ブランド』があるんじゃないかって思うんです」

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