12月に入りました。筆者が住んでいるカリフォルニア州北部は、12月、1月と雨が多く降る月に入ります。先週後半は雨続きで、ジェット気流の位置関係から南風も強く、サンフランシスコ市内では土のうを積んで浸水に備える風景が映像でも映し出されます。
東京に住んでいると、例えば1日前の福岡の天気が東京に流れてくるといった感覚知があります。また春夏秋冬に梅雨、台風、冬の南岸低気圧による雪など、ある程度気象のパターンがつかめています。しかし、住み始めて1年目、季節が一巡したばかりの西海岸の天気は、まだそこまでパターンがつかめるまでにはいたっていません。
地元の人に聞くと、「朝は霧、昼間はマイルドで基本晴れ。冬は雨が多い2ヵ月間」とまとめられてしまい、気象が好きな筆者からすると少し物足りないところではあります。日本でもウェザーニュースのような天気のアプリがあるように、The Weather ChannelのiPhoneアプリはあり、現在の雨雲の様子、気温、週間予報などをチェックできます。ただ、日本で良く見られる気圧配置の天気図は用意されておらず、あまり重視されていないようにも思われます。
ちなみに、テレビのニュースなどで、気温は摂氏(℃)ではなく華氏(ʌ)で天気予報が表示されます。これがなかなか感覚的に慣れず、65ʌと言われて、暖かいのか、寒いのか、どんな格好をすれば良いのかパッとはわかりません。
一応、一番簡単な計算式は「(華氏-30)÷2=おおよその摂氏」とのこと。例えば、0℃=32ʌ、15℃=約60ʌ、25℃=約80ʌといった具合です。頭の中で計算している段階で、摂氏のようにはいかないのですが。
感謝祭翌日の金曜がリアルショップのピーク
翌週月曜がオンラインストアのピーク
感謝祭(今年は11月22日)の翌日はBlack Friday、週明けの月曜日はCyber Mondayと呼ばれ、クリスマスまでの期間の「ホリデーシーズン」を含め、1年で最も買い物をする1ヵ月間の幕開けとなります。Black Fridayという言葉は、フィラデルフィアで買い物客や車が歩道・車道を黒く埋め尽くしてトラブルになるというネガティブな意味が語源でした。
1869年の米国の金融危機もBlack Fridayとしても知られており、ネガティブな意味のままではショッピングに良い印象を与えないとのことで、「Big Friday」という言い換えを試みましたが失敗。全国でBlack Fridayという言葉が使われるになった1970年代後半からは、お店が黒字化するためにショッピングを盛り上げるという、インクの色の「黒」の意味も加えられ、現在まで定着しています。
一方、Cyber Mondayという言葉が生まれたのは2005年。Shop.orgがプレスリリースで初めて使って以来定着しました。Black Fridayの次の月曜日にオンラインショッピングの売上が最大化するというマーケティングデータからこの言葉が名付けられ、様々なEコマースサイトが1日のセールを実施するようになりました。
今年は11月23日がBlack Friday、11月26日がCyber Mondayというわけですが、だんだんこの境目は曖昧になってきています。例えばAppleは、オンラインストアと実際のストアでBlack Fridayの11月23日の24時間特価セールを行い、オンラインと実際の店舗の価格を合わせました。また、Cyber Mondayも、月曜日に限らず、CNET.comの記事では「Cyber MondayがCyber Weekになった」、という指摘もあります(参考:http://news.cnet.com/8301-33692_3-57554394-305/cyber-monday-becomes-cyber-week/)。
また、Black Fridayよりも先にセールを始めるサイトも出てきて、これまでBlack Fridayでキリっとスタートしていたホリデーシーズンの商戦が、何となくぼやけ始めたようにも思います。
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