IBMによる調査でモバイルのコマースの姿が浮き彫りに
iPadを利用したオンラインショッピングが増加
Black Friday、Cyber Mondayに関連して、IBMのショッピング傾向に関する調査「IBM 2012 Holiday Benchmark Reports」が発表されました(参考:http://www-01.ibm.com/software/marketing-solutions/benchmark-reports/cyber-monday-2012.html)。
Cyber Mondayの今年のセールスは、30.25%の増加となりました。またセールスが最も集中したのは西海岸時間午前8時25分(東海岸では午前11時25分)。その後も1日中セールスが続くという傾向が現れています。また18%の人がモバイルデバイスからECサイトを訪れ、販売自体も13%がモバイルデバイスによって行われたと結果を出しています。割合としてはまだ小さいように見えますが、2011年に比べればそれぞれ70%、96%の伸び。EC体験のモバイル化が進んでいる様子が分かります。
これを牽引しているデバイスとして、IBMはiPadの存在を指摘しています。サマリーでは、iPadからのアクセスがオンラインショッピングの7%を超えるシェアを占めており、他のスマートフォンやタブレットを大きく上回る数字となりました。iPadが先行したことが大きいのかもしれませんが、タブレットの種類やプラットホームによって使われ方が異なる点は、今後も注目していくべきではないか、と思います。
去年のiPadセールスはすごかった?
でも今年はそれほどではない?
別の調査では、逆に店頭ではiPad自体が去年ほどは売れなかった、というデータも出ています。市場調査や予測などを行っているPiper JeffrayのGene Munster氏のチームが、Black FridayにミネアポリスのApple Storeにおいて、8時間の「出口調査」をしていた結果によると、Apple Storeで商品を購入していた人の数は1時間あたり715人。これは昨年の2011年に比べて544人増加している結果となりました(関連:http://appleinsider.com/articles/12/11/26/apple-trounces-microsoft-in-black-friday-retail-traffic-purchases)。
ところが、iPadやMacを購入した人は昨年より減っています。たとえばiPadを購入したのは1時間あたり6.7人、iPad miniは4.3人、Macは3.9人でした。2011年はiPadが14.8人、Macが10.1人であったことから、iPadとiPad miniを合計しても、昨年の勢いに届かなかったとします。
Munister氏の分析では、iPad miniなどの新製品の供給が限られていたためセールスにつながらなかったこと、予約ではオンライン販売に流れていることを挙げ、iPadシリーズのそのものの年間セールスに直接的に影響がない、と指摘しています。ちなみに彼らはiPadの出荷台数は昨年比で62%増加するとの予測です。
作れば作るだけ売れる、生産が追いつかない、というのはうれしい悲鳴ですが、あまり品薄だと離れてしまう……難しいところです。
この連載の記事
-
第264回
スマホ
ライドシェアにシェアバイク、これからの都市交通に必要な真の乗り換え案内アプリとは? -
第263回
スマホ
Amazonが買収したスーパーマーケットで生じた変化 -
第262回
スマホ
日産「はたらくクルマ」でみたテクノロジーでの働き方改革 -
第261回
スマホ
WWDC19で感じたのは、体験をもとにアップルがサービスの整理整頓を進めているということ -
第260回
スマホ
LoTで、いかにして世界から探し物をゼロにできるか?:Tile CEOインタビュー -
第259回
スマホ
ファーウェイ問題で感じたテクノロジーと国家対立の憂鬱 -
第258回
スマホ
スマホでの注文が米国でのスタバの役割を変えた -
第257回
スマホ
10連休に試したい、ゆるやかなデジタルデトックス -
第256回
スマホ
人によって反応が異なるドコモの新料金プラン -
第255回
スマホ
「平成」と「令和」 新元号発表の瞬間の違い -
第254回
スマホ
Adobe Summitで語られたAdobe自身のビジネスや開発体制の変化 - この連載の一覧へ