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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第9回

iPadとiPhoneで変わる米国のショッピングシーズンと体験

2012年12月08日 16時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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IBMによる調査でモバイルのコマースの姿が浮き彫りに
iPadを利用したオンラインショッピングが増加

 Black Friday、Cyber Mondayに関連して、IBMのショッピング傾向に関する調査「IBM 2012 Holiday Benchmark Reports」が発表されました(参考:http://www-01.ibm.com/software/marketing-solutions/benchmark-reports/cyber-monday-2012.html)。

 Cyber Mondayの今年のセールスは、30.25%の増加となりました。またセールスが最も集中したのは西海岸時間午前8時25分(東海岸では午前11時25分)。その後も1日中セールスが続くという傾向が現れています。また18%の人がモバイルデバイスからECサイトを訪れ、販売自体も13%がモバイルデバイスによって行われたと結果を出しています。割合としてはまだ小さいように見えますが、2011年に比べればそれぞれ70%、96%の伸び。EC体験のモバイル化が進んでいる様子が分かります。

 これを牽引しているデバイスとして、IBMはiPadの存在を指摘しています。サマリーでは、iPadからのアクセスがオンラインショッピングの7%を超えるシェアを占めており、他のスマートフォンやタブレットを大きく上回る数字となりました。iPadが先行したことが大きいのかもしれませんが、タブレットの種類やプラットホームによって使われ方が異なる点は、今後も注目していくべきではないか、と思います。

去年のiPadセールスはすごかった?
でも今年はそれほどではない?

 別の調査では、逆に店頭ではiPad自体が去年ほどは売れなかった、というデータも出ています。市場調査や予測などを行っているPiper JeffrayのGene Munster氏のチームが、Black FridayにミネアポリスのApple Storeにおいて、8時間の「出口調査」をしていた結果によると、Apple Storeで商品を購入していた人の数は1時間あたり715人。これは昨年の2011年に比べて544人増加している結果となりました(関連:http://appleinsider.com/articles/12/11/26/apple-trounces-microsoft-in-black-friday-retail-traffic-purchases)。

 ところが、iPadやMacを購入した人は昨年より減っています。たとえばiPadを購入したのは1時間あたり6.7人、iPad miniは4.3人、Macは3.9人でした。2011年はiPadが14.8人、Macが10.1人であったことから、iPadとiPad miniを合計しても、昨年の勢いに届かなかったとします。

 Munister氏の分析では、iPad miniなどの新製品の供給が限られていたためセールスにつながらなかったこと、予約ではオンライン販売に流れていることを挙げ、iPadシリーズのそのものの年間セールスに直接的に影響がない、と指摘しています。ちなみに彼らはiPadの出荷台数は昨年比で62%増加するとの予測です。

 作れば作るだけ売れる、生産が追いつかない、というのはうれしい悲鳴ですが、あまり品薄だと離れてしまう……難しいところです。

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