アジアナンバーワンから世界一へ
ソフトバンクの孫社長は、6年前にボーダフォンを買収した際に、10年後にはNTTドコモを抜くと宣言していたが、今回の買収によって、スプリントを加えた契約者数は9600万件になり、NTTドコモの6100万件、auの3600万件を遙かに上回ることになる。
「当時は誰も信じなかった」(孫社長)というNTTドコモ超えを、スプリント買収というウルトラCで実現してしまったわけだ。
これまでソフトバンクでは、「アジアナンバーワンのインターネットカンパニー」を目指すことを標榜してきた。
ソフトバンクが出資する日本および中国、アジアのインターネットユーザー数を足すと、アジア最大規模のインターネットユーザー数を誇るという点では、すでにその目標は達成している。
「これはすでに達成したものであり、今後もこれは強化していく」と孫社長は語りながら、次なる目標として、「男子として生まれたからには世界一になりたいという気持ちはある」として、初めて「世界一」という言葉を使ってみせた。
その原動力となるのは、孫社長が語る、「タイムマシン経営の二巡目」戦略である。
孫流「タイムマシン経営」とは
ソフトバンクは、ヤフーをはじめとする米国のインターネット先進企業に出資し、その時間差を利用。日本で同様のビジネスを展開する企業を起こしたり、出資することによってグループ時価総額を拡大するなどの成長戦略を推進。さらに、その実績を中国市場に展開し、中国企業に出資し、その先の戦略として、その成功事例をアジアにも展開する、というサイクルによって事業を拡大してきた。
孫社長は、「今後は、モバイルインターネットの領域において、もう一度、タイムマンシ経営を行うことになる」と語る。
これまでのタイムマシン経営が、「インターネット」を基盤にしたものであるのに対して、今度のタイムマシン経営は「モバイルインターネット」をターゲットとしたものになる。
モバイルインターネットの最先端サービスを米国で展開。これを日本、中国、アジアというように同様に展開することになるという。
「私が生きているうちに、必ず世界一になる」と孫社長は宣言する。
孫社長の人生初の世界一への挑戦が始まった。
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