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SDNへの柔軟な対応も可能なデータセンタースイッチ

VXLANもサポート!超低遅延スイッチ「Arista 7150」登場

2012年10月18日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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10月17日、データセンターに特化したスイッチを手がけるアリスタネットワークス(以下、アリスタ)は、超低遅延とVMモビリティの機能を充実させた「Arista 7150」を発表した。SDN(Software-Defined Network)に関しても、ソフトウェアとハードウェアの両面で柔軟性を提供する。

金融業界などで重要な超低遅延に注力

 アリスタはデータセンター市場に特化したスイッチを提供するベンダー。仮想化やSDNを前提とした「EOS」と呼ばれるソフトウェアをベースに、固定型/モジュラー型の低遅延スイッチを提供している。今回発表されたArista 7150は、同社の固定型スイッチではハイエンドにあたる10/40GbE対応モデルで、1U筐体を採用した24ポート、52ポート、64ポートのモデルが用意された。AgilePortの機能により、10GbEポートを4つ束ね、40GbEを実現できる。

52ポートを搭載する「DSC7150S-52」

 Arista 7150のスイッチング容量は1.28Tbps。L2/L3、マルチキャスト、ACL(Access Control List)などの標準的な機能のほか、いくつかユニークな機能を持つ。

 米アリスタのシニアバイスプレジデント カスタマーエンジニアリング アンシュル・サダナ氏が強調したのは、低遅延なパケット転送だ。アリスタのスイッチはもとよりカットスルー方式を採用した低遅延を売りにしているが、今回の7150では旧来よりさらに短い350ns(ナノセカンド)という超低遅延を実現した。しかも、「本当に負荷がかかったときでも、350nsという超低遅延を維持できる」と述べ、フロー数にかかわらず、低い遅延をキープできるという。

米アリスタ シニアバイスプレジデント カスタマーエンジニアリング アンシュル・サダナ氏

 その他、Arista 7150では、ワイヤレートを実現するNATや時刻同期を行なうIEEE1588、全パケットのタイムスタンプ付与、さらにはデータセンターのマイクロバーストを検出できる「LANZ+(Latency Analyzer+)」などをサポート。リアルタイム性を重視するシステムに最適な機能を提供する。

次世代の超低遅延スイッチ7150シリーズの特徴

 こうした低遅延の要件について米アリスタ インターナショナルセールスダイレクタのチャールズ・W・ウィル氏は、「超低遅延というレベルでは、金融機関の高頻度取引などで必要となる。また、低遅延というレベルではよりユーザー層が拡がり、WebのホスティングやSNSのプロバイダーでも重視される」と高いニーズがあると説明した。

米アリスタ インターナショナルセールスダイレクタのチャールズ・W・ウィル氏

VXLNAのサポートでVMモビリティは普及する?

 もう1つはVMモビリティだ。異なる物理サーバーやネットワークに対し、シームレスに仮想マシンを移動させるVMモビリティは、今回業界初めてVMwareが提唱する「VXLAN」をサポートした。レイヤ3のサブネットをまたいだ仮想マシン間の移動やESXホスト間のトンネリング、物理・仮想サーバー間の移行などが可能になっている。

 SDN対応に関しては、ソフトウェアとハードウェア両面の柔軟性を謳う。サダナ氏は、「今までのSDNではソフトウェアの柔軟性のみが取りざたされてきた状態。しかし、今後はFPGAによるロジック改良やAPIを使った連携など、ハードウェアの柔軟性も求められる状況だ」と語り、Arista 7150の先進性をアピール。また、OpenFlow、OpenStackなどでの実績やVCenterとの統合、VXLANなどを使ったF5、Riverbedなどとの相互接続なども実現しており、SDNと高い親和性があると説明した。

 販売価格は64ポート搭載の「DSC7150S-64」が450万円、52ポート搭載の「DSC7150S-52」が350万円、24ポート搭載の「DSC7150S-24」が149万9000円となっている。

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