このページの本文へ

仮想化の進化は止まらない!VMworld 2012レポート 第2回

クラウドの構築から運用管理まで包括的にカバー

モンスターVM現わる!クラウド運用のためのvCloud Suite 5.1

2012年08月29日 06時00分更新

文● 渡邉利和

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

8月27日、サンフランシスコで開催中のVMworldの基調講演で、同社のCTOのスティーブ・ハロッド氏は“Software-Defined Datacenter”のための中核製品となる“VMware vCloud Suite 5.1”を中心に新製品の概要を紹介した。

ハイパーバイザーも進化!vCloud Suite 5.1

 VMwareが「業界で初めてSoftware-Defined Datacenterを実現するソリューション」として発表した“VMware vCloud Suite 5.1”は、vSphere、vCloud Director、vCloud Connector、vCloud Networking and Security、vFablic Application Director、vCenter Operations Management Suite、vCenter Site Recovery Managerを含むスイート製品で、含まれる各コンポーネントはそれぞれバージョンアップ等で“5.1”世代となっている。

vCloud Suiteの構成

 vCloud Suiteの構成を見ると、基本的には既存製品を集めてリパッケージしたものにも見えるが、DynamicOps買収を受けてクラウド環境の運用管理を強化していく姿勢を明確にしており、それが製品構成にも反映されている。クラウド環境の運用モデルの確立に向け、クラウド事業者と共同作業を行なうための“Cloud Ops Forum”の設立も発表されている。

 すでに紹介したとおり、vCloud Suite 5.1のライセンスはプロセッサー数のみで決定されるシンプルな体系となっており、コア数やvRAMに関連した制約は一切なしで1プロセッサーあたり62万5000円から(市場想定価格)となっている。

 含まれる各コンポーネントがそれぞれバージョンアップを受けているため、改善点は多岐に渡る。たとえば、仮想化インフラの土台を支えるハイパーバイザー(vSphere 5.1)では、特にI/Oパフォーマンスの強化に重点を置いた規模拡大が行なわれている。仮想CPU数は最大64vCPUに倍増した。メモリ割り当て量はVMあたり1TBで変わらないが、毎秒あたりのI/O処理量(IOPS)は1年前にはホスト(物理サーバー)あたり100万(1M IOPS)だったのがVMあたり1M IOPSと大幅に向上している。数字だけ見ると同じだが、ホスト単位での性能からVM単位の性能へと測定単位が切り替わっている点がポイントだ。

ハイパーバイザ層であるvSphereの進化を端的に示した図。仮想CPU数が倍増した点が目を引くが、IOSPがホスト単位からVM単位に変わっていることのほうが進化のインパクトは大きいだろう

マイクロソフトを仮想敵として意識?

 また、地味ではあるがユーザーにとってはありがたい改良点としては共有ストレージを必要としないvMotionがサポートされるようになったり、物理ハードウェアの仮想化サポート機能を活用するための仕様である“SR-IOV”のサポートが加わるなどしている。これらは、マイクロソフトがHyper-Vのサポートを明らかにしているもの。成熟して進化が鈍ったとされ、あまり話題に上ることがなくなったハイパーバイザーの分野でも競争による進化がまだ継続していることを示すものだと言えそうだ。

 ちなみに、プレス向けのQ&AセッションでCEOのポール・マリッツ氏は、「価格でマイクロソフトと競争するのは難しい」「マイクロソフトはハイパーバイザーに関して“十分よい”と言っているようだが、VMwareはもっと上のレベルにある」「ハイパーバイザーより、より上位のアプリケーションや運用管理のレイヤーでの差が重要だ」といった具合に対マイクロソフトの競合状態を説明していた。

■関連サイト

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事

アクセスランキング

  1. 1位

    sponsored

    60年の時を超え「COBOL」がGitHub Copilotでよみがえる 勘定系アプリの“超難関”モダナイに7社が挑戦

  2. 2位

    ビジネス・開発

    富士ソフトがエンジニア1万人超を「AIネイティブ」化 実装力を武器にフィジカルAIなど3本柱に注力

  3. 3位

    ITトピック

    IT技術者の8割超「AI生成コードには人間のレビューが必要」/「偽・誤情報を見破れる」と自信を持つ人はICTリテラシーテストの正答率が低い、ほか

  4. 4位

    sponsored

    「現場に行くのが当たり前」を変えたアズビルのリモート調整 効果はプライスレス

  5. 5位

    TECH

    攻撃するAIと防御するAI 日本企業のセキュリティ対策にいま何が必要か?

  6. 6位

    デジタル

    東京タワー相当の紙を“完全撤廃” 点検業務をkintone化した“現場ファースト”な改善術

  7. 7位

    ITトピック

    実用化が楽しみすぎるスマート技術たち 「長距離ワイヤレス給電」から「室内向け太陽電池」「超音波センサー」まで

  8. 8位

    TECH

    パンや酒、チョコづくりにも関わる微生物「酵母」の進化を追求

  9. 9位

    デジタル

    IoTデバイスをサイバー攻撃から守る IoT向けゼロトラストの“3つのアプローチ”

  10. 10位

    ITトピック

    6割超の企業で「セキュリティは取引条件」 SCS対応も進む/パワハラと指導の違い、あなたの基準は?/AIへの危機感か 転職希望のIT人材が増加、ほか

集計期間:
2026年07月22日~2026年07月28日
  • 角川アスキー総合研究所