今となっては懐かしい(?)Windows CE搭載のハンドヘルドPC(キーボード付)やPocket PC(タブレット)、Linux搭載機が、子供向け学習用PC(中国語で「学習機」「学習電脳」)として売られている中国。
ネット新世代の70年代生まれ、通称「70後(チーリンホウ)」の親が、子供が楽しくしっかり勉強できるようにと、Windows CE機やLinux機を買い与えている。
主要メーカーは 「快易典」「歩歩高」「文曲星」「好記星」「読書郎」「諾亜舟」「名人」といったところで、これらのメーカーはPCを発売せず電子辞書や学習機一筋で発売している。興味があれば百度で検索し、メーカーサイトを訪れると面白いだろう。
本体の値段は日本円で1万円以下のモノから2万円台のモノまでピンキリだが、安くてもFlashを利用した学習教材や、有名学校の講師による授業動画などコンテンツは豊富。ただ、古いモデルや安いモノは画面解像度がQVGA(320×240ドット)と低く、「動画などのコンテンツを見せると画質がひどくて、子供の目が悪くなる」と不評だ。
こうしたユーザーの声を受け、高価なモデルを中心に高速化や高精細化など進化が進んでいる。進化の中で、ずんぐりむっくりしていたこれら製品の薄型化も進み、ガジェット好きとしてはちょっと気になるデザインの製品が出てきている。
いくらコンテンツがあっても
宝の持ち腐れ状態?
前回、快易典の「T8」という同社フラッグシップモデルのWindows CE搭載ハンドヘルドPCを紹介した(スペックが謎!? 高速起動&コンテンツ特盛の中華学習機)。
実は数ヵ月前に購入し、じっくりと使い、中国人の親子にも使ってもらったため、紹介には時間がかかった。前回書き損ねたのだが、英語、国語、算数以外にも音楽などの教養系コンテンツが入っている。
クラシックの曲がまるごと入っていて個人的にはいいと思うのだが、親はそれをスルーする。親は国語、算数、理科、社会を勉強しているし、テストの教科でもあるからその必要性はわかっている。
しかし、それ以外の音楽などは教養がないために、そもそもいくらコンテンツがあっても、親が重要だと思わず子供に教えようとしないのだ。そんなわけでいくらコンテンツを詰めても、使う人によって宝の持ち腐れになってしまうなあと感じた次第。
新モデルが続々登場
今回の記事を書くにあたり、あらためて学習機が売られている書店に出向くと、さらなる新しいモデルが別の会社から出ていた。各メーカーの全モデルが展示されていたわけではないが、さすが主要メーカーだけでも5社が競い合うだけに、ハードウェア、ソフトウェアともに改良された新モデルが続々と登場している。
似たようなハードウェア構成とコンテンツが入っているだけに、似たりよったりの成長である。とはいえ実際ちょっと使っただけだが、タッチペンを用いた漢字の書き取りや算数テストなど、ソフトの使い勝手はT8のそれより向上していると感じた。
このように学習機が多数登場している中、一部のメーカーの上位機種でAndroid搭載製品が登場している。

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