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長~く使える極上のPCケース2012 第5回

長~く使える極上のPCケース2012【クーラーマスター編】

2012年07月27日 11時00分更新

文● 加藤 勝明

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ドライブの挿入方向をユーザーが選べる

 HDDを3台格納可能なシャドウベイは、出荷状態ではケース右側からドライブを挿入するように固定されている。ただドライブケージ自体を反転してしまえば、マザー表面側から挿入するよう改めることも可能だ(3台ずつ互い違いも可能)。ケーブル類を極力見せたくなければ標準のまま、メンテナンス性が大事なら反転させて使うといい。
 シャドウベイをフロントファンとして使う場合は、ドライブの交換時にビデオカードなどを外してから作業しなければならない可能性もある。その辺の見極めが重要な設計といえる。

工場出荷状態では、裏配線と相性のよいケース右サイドからドライブを挿入するようになっている。ただしドライブの交換を前提として組むなら、シャドウベイは反対向きにした方がいい

 ちょっと面白いのはサイドパネルも選べるという点だ。サイドパネルは左右とも通気孔が多めに確保されているが、左右で通気孔の面積が違う。工場出荷状態では左パネルの方が孔が少ない(下の写真参照)パネルになっているが、ビデオカードへの通気性を上げたい場合は、通気孔の多い右側パネルと入れ替えて使うことが可能だ。

これが工場出荷時の左サイドパネル。ドライブベイの吸気ファンの風だけを通すようになっていて、ビデオカードの上空は塞がっている。音漏れは少なくなるが通気性の確保が難しい

ビデオカードの冷却を強化したい場合は、左右のサイドパネルを入れ替えて装着。するとビデオカード付近に通気孔が出現。パネル内側には120mmファン2基を固定できるので、冷却効果を上げたい時はこれも活用しよう

 その他の面白い要素としては、フロントパネル最上部に2.5インチSATA専用のホットスワップベイや、最下段にアクセサリーボックスを内蔵している点だろう。2.5インチのドライブ4台を装着可能なシャドウベイもあるが、こちらの使い勝手はあまりよろしくない。

5インチベイのさらに上には、2.5インチSATAドライブ用のホットスワップベイを備える。内側は普通のSATAケーブルでマザーと接続するため、起動デバイスとしても利用可能だ

ケース底面には4台の2.5インチドライブを固定可能な専用ベイを別途確保。第2回で紹介したSilverStoneの「SS-TJ04B」と同様に、ベイ自体はケース底面からネジで固定するため、これを使うと一気にメンテナンス性が下がってしまうのが難点

天井部分には巨大な200mmの排気ファンが設置されているが、取り外して120mmまたは140mmのファン×2の構成に変更できる。マザー上端と天井との間はCorsair製水冷クーラー「CWCH100」の2連水冷用ラジエーターの装着に十分なクリアランスがあるが、取り付けネジをナベネジに交換しないと、フィルターが装着不能になるので注意

ミドルレンジ以上のPCケースの必須装備といえるエアフィルターも当然装備。ただし上下だけで、正面や両側面にはフィルターを装着する場所がないのが惜しまれる

 最後に拡張性をチェックしてCoolerMaster編は終わりとしたい。さすがにCOSMOS IIと比べると小さくまとまった感はあるが、一般ユーザーが使う分にはなかなか良いところに着地している製品ではなかろうか。

内部空間はほどほどの広さ。縦型の裏配線用穴と横向きに出るSATAケーブルが干渉しやすいのが気になるが、ケース自体の奥行きを考えたら仕方ない部分ではある。ビデオカードが利用できる空間は335mm。現行のハイエンドGPUであれば干渉することなく設置可能だ

ちょっと気が利いてるなと感じたのは最下段の目隠し板を外したその奥にあるアクセサリーボックス。PCケースの付属パーツはどこかにしまったまま存在を忘れてしまうことが多いが、ここにしまっておけば安心。人に見られたくないデータの詰まったUSBメモリーなどの隠し場所としてもグッド!

【機材協力】

特集で使用したPCパーツ

 今回の特集で使用した主なパーツは以下のとおりだ。PCケースの有効スペースを検証するために、最新かつサイズの大きい製品をチョイスしている。

Z77チップセットを搭載した、ASUSTeK製ATXマザーボード「Maximus V Formula」。ゲーマー/オーバークロッカー向けのR.O.G.シリーズに属するハイエンド製品で、2-way SLIと3-way CrossFireXをサポートしている。VRM部は水冷にも対応。想定売価は3万6000円前後で、8月頃発売予定だ;

Radeon HD 7970を搭載した、ASUSTeK製ビデオカード「Radeon HD 7970 DirectCU II TOP」。12フェーズのオリジナル基板と、3スロット厚のオリジナルクーラーを搭載したモデルで、クロックが925MHz/5500MHzから1000MHz/5600MHzまで上げられている。カード長は約275mm

自作PC用のCPUクーラーとしては世界で初めてバーティカルベイパーチャンバー(蒸気管)を搭載した、CoolerMaster製のCPUクーラー「TPC 812」。クーラーの全高は163mm。実売価格は8980円前後

容量3TBのWestenDigital製3.5インチHDD「WD30EZRX」

容量256GBのSamsung製SSD「Samsung SSD 830」

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