Windows 8と言えばMetroスタイルに注目が集まるが、デスクトップ画面側の強化点のひとつに「マルチディスプレー」への対応がある。これまでのWindowsでは、「複数のディスプレーが利用できます」という程度のサポートしかなかった。
しかしBuilding Windows 8ブログによれば、マルチディスプレーの利用者が増えており、特にソフトウェアなどの開発現場ではマルチディスプレーを使うのが日常的だという。それを踏まえてWindows 8では、マルチディスプレー機能が強化された。まずはWindows 7までとの違いを見ていこう。
複数のディスプレーそれぞれに
タスクバーや個別の壁紙を表示可能に
左がメイン、右がセカンダリのデスクトップ画面。「すべてのタスクバー」を選択すると、どのディスプレーに表示されるタスクバーも同じになる。タスクバーにピン留めしたアプリ(写真ではIE、エクスプローラー、コントロールパネル)もすべてのディスプレーのタスクバーに表示されるが、通知領域だけはメインタスクバーのみに表示される。
Windows 7までのマルチディスプレーでは、複数のディスプレーにまたがる大きなデスクトップがひとつあり、それぞれのディスプレーはその一部を表示していた。タスクバーはメインディスプレーだけに表示され、他のディスプレーはすべて、デスクトップの一部分にすぎなかった。
Windows 8でも、複数のディスプレーが1枚の大きなデスクトップ上の一部を表示する関係は変わらないが、タスクバーはそれぞれに表示されるようになった。また、ディスプレーごとに壁紙を指定できるようになった。これまでは、すべてのディスプレーに同一の壁紙が表示されていたため、作業環境の区別が付きにくいし、3枚以上のディスプレーを使っていると、ウインドウがどこにあったのかを見失いやすかったのが改善される。
ディスプレーごとに個別の壁紙を指定できるだけでなく、ひとつの壁紙を複数ディスプレー全体にわたって配置する、「スパン」という配置方法も指定できる。これを使うと、左右のディスプレーにひとつの画像の左半分と右半分といった表示ができ、デスクトップ内の位置が把握しやすい。

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