柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第118回

Apple TVやHuluで最新映画や見逃した番組を視聴する技

海外ドラマ好きなら「Hulu」は契約して損なし！

　昨年8月に日本デビューを果たした定額動画配信サービスの「Hulu」。多数のコンテンツホルダーと提携し、ドラマや映画を定額で楽しめるサービスだ。今年4月12日には1480円から980円に値下げし、2週間の無料トライアルを実施するなど積極的な施策を打ち出している。

Huluに登録する。まずは2週間のトライアルから始めてみよう。気に入らないなら、お金をかけずに解約できる

海外ドラマの充実度は半端じゃない。ファーストシーズンだけではなく、全部見られるのは至福。お勧めは「Dr. HOUSE」と「NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」

　Huluは、1契約でPCやiPhone、iPad、Android端末、BDプレーヤー、PS3、Xbox 360、スマートテレビなどさまざまなデバイスで視聴できるのがウリ。しかも、レジューム機能に対応しているのも便利。例えば、PS3で視聴中にお風呂に入りたくなったらタブレット端末でHuluアプリを起動すればいい。ワンタップで、PS3で観ていたシーンの続きが再生されるのだ。就寝時間になったのでベッドに入っても、スマホでもう少しだけ続きをチェックということもできる。通勤中などの移動時間を活用し、細切れに視聴する手もある。

　映像は720pのハイビジョン画質で、Apple TVのフルHDと比べると劣るものの、十分キレイに視聴できる。PCや携帯デバイスなら十分すぎる画質と言っていい。

　気になるのがコンテンツの数。映画は「マトリックス」や「MIB」といったメジャーどころも多く楽しめるのだが、登録数が780本と少な目。一方、ドラマが182作品が登録されている。少なく感じるかもしれないが、これは8シーズン続いた「24 -TWENTY FOUR-」や6シーズン続いた「LOST」などを含んでいる数。話数で言えば、5000本を超えているのだ。海外ドラマ好きなら狂喜乱舞できるラインナップなうえ、見切れないほどの分量が楽しめる。海外ドラマ好きなら月額1000円は安すぎる。どこでも続きが観られるレジューム機能も大活躍するだろう。

再生ボタンを押すだけでいきなり作品がスタートするので最初は驚く

iPadで視聴。ながら見するならスタンドがあると便利だ

現在は、iPhoneのレジューム機能は正常に動かないことがあるとのこと。筆者の環境では問題なく動作した

PS3やレコーダーでログインし、大画面テレビで楽しむことも可能だ。PS3なら、PlayStation Storeから「Hulu」アプリをインストールする

もちろん、続きから視聴できる

スマホでも視聴できるので出張先でも寂しくない

　Huluをはじめ、スマホで視聴できる動画配信サービスが増えてきた。もちろん、Flash非対応のiPhoneやiPadでも視聴できる。見逃したテレビ番組を観たいなら、テレビ局が運営しているサービスを利用しよう。例えば「NHKオンデマンド」なら、月額945円の「見逃し見放題パック」で見逃した番組やニュース番組を見放題。「NHKスペシャル」や過去の名作ドラマを視聴するなら同じく945円の「特選見放題パック」も用意されている。時々しか利用しないなら、月額契約はせず、単品（105円から）で購入するのもいいだろう。

「NHKオンデマンド」の画面。インターフェースが使いやすく、観たい番組を簡単に探せる

横にして全画面表示も可能。無料で視聴できるコンテンツも用意されている

　アニメも各テレビ局が配信しているが、まとめて観るなら「バンダイチャンネル」の収録数が圧倒的だ。作品数は1539作品、2万4530話というボリューム。そのうち330作品を対象にした「月額1000円見放題」コースもある。動画はFLV形式で、ビットレートは最大1.5Mbps。自動的に利用している端末や通信速度をチェックし、最適な画質で配信する。もちろん、「バンダイチャンネル」も単品購入が可能なので、時間が空いたときにちょっと観るといったことも可能。出張時のホテルで時間をつぶすのにも最適だ。筆者はラスベガスのカジノで大負けしたとき、2日間ホテルから動けず、「バンダイチャンネル」のファーストガンダムを一気観した。とても癒やされて救いになったので、いざという時に備えて会員登録しておくことをお勧めする。

懐かしの名作から最新作まで、膨大なコンテンツが揃っている

ハイビジョン画質の作品もあり、iPhone 4Sでも綺麗に視聴できる

　映画やドラマ好きなら、オンデマンドサービスを活用しない手はない。すべてのサービスの月額サービスに加入するとランニングコストが高くなってしまうので、メインはひとつに絞ったほうがいい。その上で、ほかのサービスでしか扱っていないコンテンツを観たいときに、単品購入で利用できるようにしておこう。その際の手間を省くために、時間があるときにアカウントを作成しておくことをお勧めする。

　これから梅雨時期で、飲み歩くのがおっくうになる。そんな夜は、オンデマンドでお気に入りの映画を楽しもう。出歩くより、財布に優しいのも見逃せない。

筆者紹介─柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」（翔泳社）「Twitter Perfect GuideBook」（ソーテック社）、「Dropbox WORKING」（翔泳社）、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。