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先行したクラウドサービスと同じ基盤を自社構築できる

富士通、ビッグデータミドルウェアをオンプレミスでも

2012年04月24日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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4月23日、富士通は発表会を行ない、同社のビッグデータ向けソフトウェア向けの取り組みについて説明した。先んじてクラウド型で提供してきたビッグデータのソリューションを、オンプレミス型で実現できるソフトウェア製品として体系付けたのが特徴となる。

オンプレミス構築を前提としたミドルウェア

 ビッグデータの取り組みについて説明した富士通 執行役員 クラウドプラットフォーム開発本部長 今田和雄氏は、調査資料を基にデータ量の爆発的な増大とそれに伴うビッグデータ市場の拡大について説明したのち、「今年はビッグデータの利活用が拡大すると見込まれる」と期待を示した。

富士通 執行役員 クラウドプラットフォーム開発本部長 今田和雄氏

 また、今田氏は大容量(Volume)、多種(Variety)、高頻度(Velocity)といった軸でビッグデータの活用事例を紹介した。ある小売り事業者のマーケティング分析の事例では、「従来、既存のRDBシステムでは5時間でできる特定地域の店舗でしか分析できなかった。バッチ処理を並列に行なうことで同じ5時間で10倍の処理が可能になり、全国の売れ筋が分析できるようになった」と大容量データで高速な並列処理を実現した例を紹介した。その他、SNSなどを組み合わせたデータ分析、デバイスから発生した高頻度データのリアルタイム処理などにより、これまでにないデータ活用が可能になったと説明した。

 こうしたニーズに対して、富士通はビッグデータ向けシステムとして、まずはクラウド型のデータ活用サービスを今年の1月に発表している。そして、今回はオンプレミス型の製品として、同社のクラウド型データ活用サービスと同じ機能を提供する「Big Data Platform」と「Big Data Middleware」を発表した。「弊社はクラウドで実践したものをお客様に提供していくという戦略をとっているので、基本的には両者とも同じ技術を採用している」(今田氏)。

クラウド型とオンプレミス型の両輪を展開

 このうちBig Data Platformは分散ファイルシステム「PRIMECLUSTER」や複数のイベントを高速に処理する「Interstage Shunsaku Data Manager」、インメモリデータ管理技術「Primesoft Server」、一方、Big Data Middlewareとしては、分析予測やエクストリームトランザクション用のソフトウェアが用意されている。なお、並列処理向けの「Interstage Big Data Parallel Processing Server V1」はすでに発売済みとなっている。

オンプレミス型製品の体系

 このうち新製品として、簡単なルール記述でイベントにマスターデータを高速結合させる複数イベント処理エンジン「Interstage Big Data Complex Event Processing Server V1」、非構造化データを含めた高精度な分析予測を可能にする「Interstage Business Analytics Modeling Server」、インメモリ分散キャッシュで高信頼・高速なデータアクセスを実現する「Interstage eXtreme Transaction Processing Server V1」を投入。また、高信頼データベース「Symfoware Server V11」においても、SSDへの並列処理や高圧縮技術によるメモリ使用量の削減などの強化が図られた。

 これらビッグデータ向けソフトウェアの特徴としては、スマートソフトウェアテクノロジーによる容易な導入と運用、富士通ならではの性能や信頼性、パートナーやオープンソースソフト(OSS)との連携を前提としたオープン性などを挙げた。

 今田氏は、このうち富士通ならではの分野としては、さまざまな予兆からリスクを分析する分析予測を説明。「機械翻訳技術や時系列のイベント解析により、クレーム内容からリコールにつながるキーワードを自動抽出し、時間変化を分析。危険度を数値化することにより、「クレームの件数だけでは予測できないリコール発生を予測できる」という例を挙げた。また、オープン性に関しても、各種のアプリケーションサーバーとの連携やオープンAPIの拡充を図ると説明した。

さまざまな予兆からリスクを高精度に予測する

 今田氏はクラウドとオンプレミスの割合について、「一般的にはクラウドとオンプレミスで2:8と言われるが、(この分野では)半々くらいになる可能性がある」と、クラウドでの利用割合が多いと見込んでいる。「利用イメージが沸かない企業も多いので、スモールスタートできるクラウドでまずは試してもらいたい」(今田氏)。今後は、垂直統合型のアプライアンスの提供も予定しており、2014年度までには大容量データの超並列処理を実現する環境を整備。さらに人的な支援体制も拡充し、ビッグデータ専任の技術者を500名規模で育てていくという。

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