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初音ミクをファッションモデルに 人気ブランドの新たな挑戦

2012年04月08日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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社長とコミケに行きまして

―― ではあらためて、Japan Label成立の経緯を教えてください。

鈴木 はじめに、earth music&ecologyとは異なるマーケットにリーチしたいというのがあったんです。女性の中でも今までリーチできなかった層、それと海外ですね。

―― クロスカンパニーは中国や香港、台湾にも展開していますね。

鈴木 はい。ただ、そうなったとき、earthだけのブランド展開だけだと正直難しいだろう。海外に展開していくなら、日本文化、ジャパニーズカルチャーとうまくコラボレートしていきたいと。でも、当社の社長・石川(康晴氏)としては、具体的にどれがいいかというところまでは分からない。なので、社内にそういうの詳しい人いませんかと。

―― そういうのと言うと……。

鈴木 「オタいないか!」と。

―― なるほど。

鈴木 今回の服のデザインをしている女性が、いわゆるガチオタで。で、ぼくらも詳しいのでマーケティングをすることになって。

マーケティングを担当した2人もかなりのオタクだったという

―― でも、ブランドのイメージってオタクとかけ離れてる感じがしますね。中を見てみると案外オタクがいた、というのが意外です。

鈴木 石川が目をつけたところはまさにそこで、自分のところのお客さんにも共感してくれる人がいるんじゃないかということだったんです。とはいえ最初は社長も半信半疑だったんですけど、最終的な階段を踏んだのはコミケに来てもらったときで。

―― 社長がコミケに行かれたんですか。

鈴木 はい。実際に見てもらった方が早いということで、2日目に来てもらって。

秋元 トムブラウンのスーツで、革靴で、キャリーケースまで持ってきてました。

鈴木 で、実際に会場を歩いてもらったら、あれもウチの服だ、と次々に見つけて。うちのお客さんも来てるんだ、これはイケるからいこう、ということになりました。

「社長、コミケに革靴は……」という会話もあったらしい。社長はもちろん男性

―― カルチャーと言っても幅広いんですが、初音ミクを選んだのはなぜですか?

鈴木 これは難しいんですが、1つの基準にしたのはpixivだったんです。そこでグローバルで勝負できていて、コンテンツがいくらかフリーに使えるものをと。

秋元 批判的な意味ではなく、キャラクター商品を作るつもりは当初からなかったんですよ。ブランドとして機能するものを作りたいと。

―― キャラTとか、キャラグッズとか、多いですからね。

鈴木 そうです。でも、他社と同じことをやっても意味がない。ぼくらはあくまで新しいブランドをつくって、新しいマーケットを作っていかなければいけないと。

―― ただのキャラTではダメなんですか。

鈴木 結局それって版権ビジネスなので。単発で売り上げを伸ばすことを目指していたわけではなくて、あくまで自分たちのレーベルを作ること。それを考えたら、「二次創作」を許してもらえないところだとキャラクターをプリントして終わりじゃないですか。

―― レーベル展開が二次創作!

鈴木 もともと作っていたコンテンツをearthにふさわしくマッチングさせる、作り変えていく。そんな「二次創作」ができた方がいいわけです。

キャラクターとコラボレートしたレーベル展開を「二次創作」と表現する鈴木さん。「レーベルの色を出すためには、二次創作を許してくれるキャラクターでなければ作れなかった」

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