初音ミクとコラボレーションしたファッションブランド
女性向けファッションブランド、earth music&ecologyが擁する若者向けレーベル「Japan Label」(ジャパンレーベル)。7月28日に発売する、新作が発表されている。注目はなんといっても、ポスターや服そのものにあしらわれている初音ミクのイラストだ。

初音ミクをモデルに、イラストで着ている服を販売するという展開が新しい
アースが初音ミクとのコラボレーションをはじめたのは今年3月から。それまで宮崎あおいをイメージキャラとしていた同社。「ミク」を扱うのはリスクもあったが、どうせなら全力でぶつかろうと、商品第1弾を全国191店舗で展開し、勝負をかけた(関連記事)。
結果は、完売の店舗が続々とあらわれるほどの大人気。第2弾も大好評で、今回発表された新作は第3弾にあたる。間もなくアジアを中心に海外でも商品を展開していくという。
アースが仕事を頼んできたイラストレーターは、ちほPさん、ちゃもーいさん、雨さんの3人。全員女性で20代前半、ネットでイラストを発表してきた「絵師」と呼ばれる作家たちだ。若くして仕事をまかされ、いわばプロ絵師となった彼女たちにとって、ネットはどんな場所なのだろう。そしてこれからの時代、作家たちの仕事はどう変わっていくのだろうか。
今回は3人に加え、「初音ミク」開発元であるクリプトン・フューチャー・メディアの佐々木渉さん、そしてジャパンレーベルのプロジェクトメンバー、鈴木 健太郎さん・秋元 宏樹さんのお2人をお招きし、初音ミクを中心に据えた新しいビジネスについての話を聞いた。
「ネットの作家にあこがれる」世代
―― まずはイラストを描こうと思ったきっかけを聞かせてください。
ちほ キャラクターイラストを描くようになったのは4歳とか、5歳とか。セーラームーンとかがはやっていたころで、一生懸命マネをして描いてたのがはじまりかなあと思います。
雨 私もキャラクターイラストは物心ついた頃からずっと描いてたんですけど、まじめに描いていたというより落書きというか。
―― 2人とも小さい頃から絵が好きだったと。ちゃもーいさんは、ちほさんにあこがれて本格的に絵を描きはじめたという話を伺いました。
ちゃもーい ほんと好きで、ずーっと見てました。高校生くらいのとき友だちと、好きな絵を印刷してノートに貼って見る、みたいのをやってたんですけど、そのときにちほPの絵があって。「これ誰の絵!?」っていうのを聞いて、ネットで調べて、ほかの絵も見て、これはやばいと。pixiv(イラスト投稿サイト)で即お気に入りに入れて、超見てました。
ちほ 恐縮です……。
ちゃもーい 朝起きて、学校行ったらパソコン見るって生活してたんですけど、ある日「メランコリック」が上がってるのを発見して、見た瞬間(感動で)叫びそうになって。
「メランコリック」はちほさんがイラストを担当した動画。ボーカロイド「鏡音リン」を使い、曲はJunkyさんが制作 |
―― 学校で叫ばなくてよかったです(笑)。
ちゃもーい それでpixivに初めて投稿したのが、メランコリックのファンアート(二次創作)だったんです。「ちほP大好きです!」みたいなことをキャプションに書いたらコメントが返ってきて。まさかご本人様からコメントが返ってくるとは思わず狂気の沙汰に……。その後THE VOC@LOiD M@STER※があって、ちほPが出るってことで追っかけに行って。
※ THE VOC@LOiD M@STER : 初音ミクなどボーカロイドを中心にした、ファン主催のマーケットイベント。自主制作のCDや書籍を販売し、年々規模が拡大している。略称は「ボーマス」
―― 追っかけ!
ちほ そのときお手紙もいただいて。他の方からいただくこともあるんですけど、珍しいです。そうやって直接いただけるとやっぱり、とてもうれしいですよ。
ちゃもーい これからも送りつづけます!
