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目を見張る70V型の超大画面でゲームとアニメを満喫

国内史上最大のAQUOSでテレビは6畳間70インチ時代に突入

2012年03月23日 11時00分更新

文● 鳥居一豊 撮影●篠原孝志(パシャ)

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「大画面=大きな部屋が必要」という先入観は大きな誤解

 さて、こうした特大画面のモデルを紹介すると、たいてい「こんな大きいテレビは自宅に入らないよ」という反応が返ってくる。北米では昨年末に70V型どころか80V型の超特大画面モデルが大幅に売り上げを伸ばしているといった報道があったものの、これについても「日本と違って向こうは住宅事情が違うからなぁ」と受け取られがちだ。

 ところが、である。たとえば6畳の部屋の場合。たいてい窓があると思うが、そのサイズを図ってみよう。我が家の6畳間の窓をおおざっぱに測ったところ、横幅180×高さ130cmほど。対してLC-70X5のサイズは横幅163.6×高さ102.6cm。4畳半の部屋だってこれくらいの窓は付いているわけで、これはすなわち「置ける」ことを示しているのだ。

 ちなみに、スタンド設置に必要なスペースは、横幅53.6×奥行き37.7cm。テレビ用のラックに奥行きが狭いものを選べば十分置ける。

 慌てて付け加えるが、これは少々乱暴な理屈であって、実際のところ、窓をテレビで塞ぐわけにはいかないし、家具だってある。そうそう簡単に6畳間に70V型が置けるわけではない。けれども、まずは、決して非現実なサイズではないということを、知ってほしいのだ。

 では、実際に70V型を6畳間あるいはそれ以下の部屋に置くとどうなるか? 筆者の自宅環境(6畳間に50V型の薄型テレビを置き、およそ1.5mほどの距離で視聴)を考えると、そのまま我が家のテレビをLC-70X5に置きかえても、普段の生活に支障はなさそうだ。仕事柄、オーディオ・ビジュアル視聴のための専用スペースではあるが。

我が家のAV機器の設置状況。計算上はLC-70X5も十分設置可能だ

 次に、70V型の特大画面を1.5mの距離で見るとどうなるのか? これを取材時に試してみた。心配になるのは、画面が大きくなっても画素数は見慣れた1920×1080ドットなので、1つ1つが大きくなった結果、画素が見えてしまうのではないかということ。

 結論から言えば、視力が2.0以上あるような人でなければ問題ない。いろいろと試してみたところ、画面との距離が70cm台になると画素が目に付きはじめた。

 ちなみに、LC-70X5における画面の縦の長さは86.6cmだが、現在のフルハイビジョン画素テレビの最適な視聴距離とされているのは、画面の縦の長さの2~3倍(2~3H/173.2~259.8cm)だ。……と言ってしまうと、テレビに近すぎるんじゃないの? 目に悪いんじゃないの? と思う人も居ると思うが、2~3Hの距離が最適なテレビを1Hで見た場合、目への負担となるのは、単純に画面が明るすぎるためだ。

 現在の薄型テレビはブラウン管テレビのようなインターレース走査ではないので、60Hzで生じるフリッカー(画面のチラツキ)の問題は生じない。LEDバックライトのスキャニングも120Hz以上の短いタイミングなので、人間はそのチラツキを認識できない。「テレビから離れて見ましょう」というのは、ブラウン管時代(5~7Hが最適視聴距離)の古い常識と考えていい。もちろん、近すぎる(1Hより短い)のはNGだが。

フルハイビジョンテレビの最適視聴距離

 「視聴距離が近いと画面が明るすぎる」ことが問題ならば、画質調整で明るさを落とせばよい。ゲームをしていて上手くいかないときにコントローラーを投げるクセのある人は、画面が近いとテレビを破損する危険が倍加するものの(笑)、これについては自己責任だ。転倒したときに下敷きになる点も、転倒防止対策を厳重に施せば問題ない。

 実際のところ、LC-70X5をほぼ1Hと言える1mほどの距離で見ても、適切な明るさに調整すれば映像は見やすく、チラつきが気になることはなかった。それ以上に驚くのが、視野をカバーする映像の大きさだ。

 ちなみに70V型をおよそ1mで見ると、画面はほぼ45度の角度で目の前に広がる。2~3Hの場合、角度は狭くなって30度前後となる。この場合、画面の外にあるものも目に入るため、あくまで「部屋の中にテレビがある状態」として視聴することになる。

 ところが、45度前後になると、視野のほとんどを映像が埋め尽くし、画面の外が目に入りにくい状態になる。当然、映像への集中度が高まる。なお、この45度は、大型スクリーン(300~500インチ)を使う映画館のベストポジションで見た場合の数値とほぼ同じ。映画館で見ると臨場感がまるで違うように感じるロジックの1つがこの「視野のカバー率」だ。

 すなわち、LC-70X5を1mほどの距離で見るということは、映画館と同様の臨場感を得ることに等しい。実際のところ、眼前に面で迫ってくる映像の迫力には圧倒される。バストショットは等身大とは言えないが、クローズアップのカットなどは等身大を超える。

 このサイズ感を一度体験してしまうと、テレビの画面とは別のものに感じられる。画素が大きくなって映像が甘く感じるどころか、50V型では気づけなかった細部の差異を発見し、さらに映像に夢中になれる。

大型映画館での最適視聴距離

 個人的な感覚では、その境界は60V型あたりになるように思う。60V型未満ではどうしてもテレビを見ているという従来の延長線上にある大画面で、60V型を超えると途端に映像の持つパワフルさに違いが現れてくるように感じる。これが、テレビに70V型の特大画面をおすすめする理由だ。

 これはもちろん、70V型ならばどんなものでも良いというわけではなく、高画質性能や近距離で見ても精細感が失われない緻密な映像再現など、テレビの実力も問われる。こうした点を含め、LC-70X5は十分に納得の映像を堪能させてくれた。

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