Retinaに続きLTEもサポート
2つ目の特徴は「iSight Camera」と呼ばれるリアカメラ機能。iPad 2で搭載されたカメラが強化され、より緻密で豊かな色表現が可能になったという。この強化されたカメラとA5Xプロセッサを活かし、3つ目の特徴となる「1080pによるHD動画撮影」がサポートされている。動画撮影では手ブレ防止(Stabilizer)やノイズキャンセル機能がデフォルトで有効になっており、手軽にきれいな動画を撮れる点がメリットだ。iPadで動画撮影をするケースは少ないかもしれないが、高性能を活かした特徴だといえるだろう。
特徴の4つ目は「Dictation」、音声入力機能だ。ソフトウェアキーボードに新たに追加された「マイク」マークをタップすることで音声入力を開始できる。対応言語はSiriと同様で、つまり日本語での入力も可能ということだ。Siriと組み合わせることで、ハンズフリーである程度音声のみでの入力作業やメモ書きが可能になるだろう。
そして5つ目の特徴が、一部で噂されていた「LTE」への対応。LTEをサポートするキャリアや地域はまだ世界でも少ないが、ネットワーク事情が特に逼迫する都市部ではキャリアの積極採用が進んでいる。特に最大勢力であるiOSデバイスでのLTEサポートは重要な意味を持ってくる。現在はハイエンド向け機能として対応デバイスが少ないが、今回のケースを皮切りにミッドレンジ以下のデバイスにも急速に広がっていくことだろう。
ただし今回の発表では北米キャリアについてのみ言及され、米国ではAT&TとVerizon Wirelessの2キャリアがLTE対応となった。一方の3Gは、対応周波数帯域を過去最大規模で拡大し、ワールドワイドで利用できる点を強調した。LTE対応エリアが狭いこともあり、4G LTEを優先利用しつつ、3Gと併存する形になるだろう。3Gも従来のHSPAのほか、HSPA+の下り21Mbps、DC-HSDPA(デュアルキャリア)の42Mbps、そして4G LTEの72Mbpsダウンロードと、3Gと4Gで段階的な高速ネットワークへの対応を言及した。
なお、日本のソフトバンクの場合、DCでの対応周波数の問題からおそらくHSPA+対応止まりになると見られている。
またLTE対応に合わせたのか、iPadでのパーソナルホットスポット対応も発表された。最大5台までのデバイスをWi-Fi経由でテザリング可能で、iPadの大容量バッテリを活用して長時間のWi-Fiルータとしての連続動作が可能になる。もともとiPhoneのみでサポートされており「なぜiPadでは使えないのか」といった声は多かったが、ついにサポートされることになった。またSchiller氏によれば、通常利用でのバッテリ駆動時間はプロセッサ強化等にもかかわらず従来と同じ10時間で、4G LTE利用時でも9時間程度になるという。
価格はローエンドの16GB Wi-Fiモデルが現行と同じ499ドル(4万2800円)。32GBと64GBのバリエーションではそれぞれ100ドル(8000円)または200ドル(1万6000円)がプラスされ、3G+4Gモデムを搭載したモデルはさらに130ドル(1万1000円)の追加となる。
またiPad 2も引き続き併売され、価格は従来の100ドル引きとなる。ただしiPad 2はWi-Fi版と3G版ともに16GBモデルのみの存続となるようだ。発売日は3月16日で、日本を含む10ヵ国での販売が同日よりスタートする。さらに1週間後の3月23日には25ヵ国での販売が開始され、ほぼワールドワイドでの一斉展開となるようだ。発売直前には販売店やキャリアからの正式発表があるとみられるので、適時チェックしてほしい。