米Appleは3月7日(現地時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコ市内のYerba Buena Center for the Artsにおいて「We have something you have to see. And touch.」と題したスペシャルイベントを開催した。噂の「新型iPad」のお披露目となるイベントだが、この模様は同社サイトにおいてビデオストリーミングが公開されている。本記事では、このストリーミングにおけるイベントのハイライトを紹介していこう。
ポストPC時代の主役は誰だ?
イベントの冒頭で登場するのは同社CEOのTim Cook氏だ。昨夏に新CEOに就任したばかりの同氏は、前回の9月のスペシャルイベントをはじめ、Steve Jobs氏不在のタイミングでたびたび聴衆の前に顔を出しており、こうしたプレゼンテーションもかなり板に付いてきたようだ。最初の話題は通例に従ってAppleの近況報告から。同社にとって過去最高となる2011年第4四半期決算を発表したばかりのタイミングということもあり、戦略の正しさを自信を持ってアピールしていた。
Appleといえば「Macの会社」というのが過去の評価だが、現在ではiPod、iPhone、iPadと、業界の在り方を大きく変えるデバイスを立て続けに市場に投入してイノベーションをリードしてきた。Cook氏によれば、これらデバイスは「ポストPC時代」を牽引するデバイス群であるという。同社は2011年だけでこれらポストPC時代のデバイスを1億7200万台販売し、売上全体に占める割合はすでに76%に達するという。もはや「Macの会社」のイメージは過去のものだといって間違いではないだろう。MacでPCの時代を切り開いた会社は、やはり自らの力でポストPC時代を牽引していくというメッセージだ。
そしてCook氏によれば、こうしたポストPC時代のデバイスをアピールする場として有効に機能しているのが、Apple Storeだという。PCのようなデバイスに馴染みのない人でも、実際に店舗に来て・見て・触ることで、その世界を体験できることが大きいようだ。直営のApple Storeは現在、全世界で362店舗。今回のイベントでは、先日オープンしたアムステルダムの新店舗が紹介された。
昨年末にオープンしたニューヨークのグランドセントラル駅店も紹介され、オープニングの様子がビデオで上映された。グランドセントラル店は他のApple Storeとは趣きが大きく異なり、駅の一部をそのまま店舗にしたもの。小売り店用のスペースではない場所にオープンしているため、開放的な駅空間に突如として店員たちやApple製品が陳列されたテーブルが出現する、象徴的なスペースとなっている。もし実際にニューヨークのグランドセントラルに行く機会があれば、ぜひ一度見て体験してきてみてほしい。
