スポーツカメラマンをよく見ると、たいてい2台のカメラをぶら下げている。1台には広角系のズームレンズ、もう1台には望遠レンズ。現場ではレンズをつけかえているヒマなんてないので、あらかじめ2パターン用意しておくのだ。
実は旅先で猫を撮るときも2台ほしいのである。
1台は高倍率ズームがいい。近寄れない猫は望遠で、近くで撮れる猫は広角で。もう1台は猫が人なつこい時用である。
デジタル一眼の高倍率ズームレンズって近距離撮影に強くない。10倍ズームクラスになると最短撮影距離は50cmくらい。こっちに突進してきていきなりすりすりしたり、手のひらからおやつを食べたりしてくれる猫を撮るときに対応できないのだ。
そういう時、2台目カメラとしてコンデジを用意するのである。コンデジなら軽くてコンパクトだし、レンズ前5~10cmくらい寄れるので超近距離猫を撮るのにいいのだ。
たとえばこんな感じ。
公園で遠くに猫発見! ポケットに入れておいた猫のおやつの袋をかさかさと鳴らすと、めざとい猫がこちらへたたたたと走ってきた。
よしよし、と思っていたら、後ろから猛スピードで追いかけてきた白黒猫が背後から強烈なショルダーチャージ。そのまま追い抜いたのだった。ひでー。でもそれが猫の世界の掟なのだ。
と、ここまではマイクロ一眼に14-140mmという10倍ズームレンズでOK。
でも、一番乗りしたやつが目の前で期待した目でこっちを見ている、となるとズームレンズは使いづらいし、レンズをつけかえているうちに猫がどっか行っちゃう。
そこでコンデジの出番である。今回はキヤノンの「PowerShot S95」を持って行ったので、それに持ちかえて至近距離でぱしゃり。
というわけで、お手軽猫撮影ツアーのときは、メインにズームレンズをつけたデジタル一眼、至近距離撮影用にマクロに強いコンデジの2台体制がお勧めなのだ。
そうすると、突然猫がくんくんしながら目の前までやってきたときはコンデジでぱしゃ。
遠くでこっちを見てるときは高画質のデジタル一眼に持ちかえてぱしゃ、と使い分けられるのだ。
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