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MacPeople 3月号は「がっつり読める」特集記事を凝縮

MacPeople編集長、「“新常識”SSD、クラウドを今こそつかめ」

2012年02月04日 11時00分更新

文● 広田稔(kawauso3)、語り●吉田博英(MacPeople編集長)

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日本の教育現場の反応を探る

── 日本への影響はありますかね?

吉田 そっちは巻頭のニュースページを読んでほしい。前田稔さんと藤原和博さんという東京学芸大学の関係者に話を聞いていて、IT化が遅れているという日本の教育現場の現状が詳しく書かれています(関連記事1関連記事2)。初等教育だとiPadは重くて高価という声もあるそうだし、保護者から「画面をずっと見てたら目が悪くなるんじゃないか」という意見も出てたりして、アメリカほどすんなり受け入れられるとは限らない。

 総務省の成長戦略「新しい成長戦略 ―原口ビジョンII―」とかで、タブレットPCや電子ブックを使ったデジタル教科書の活用が明記されてたりしてるので、全体の方針としては電子化に向かうんだけど、現場が付いてきていない感じなのかな。だから今回、iBooks Authorなどが登場したことで、電子化の議論が再燃すると思う。

 ただ悩ましいのは、今のところアップル製品のみの閉じた環境だという点。私立はともかく、国公立の学校にとっては配信がアップルに限られるという点が導入の障壁になるかも。アマゾンのKindleは、iOS、Android、MacやPCでも同じ書籍を扱えるし、昨年7月から電子教科書のレンタルも始めている。アップルも電子書籍をより広めたいなら、Android用にiBooksを出すべきだと思う。

── 確かに音楽におけるiTunesも、Windows版が出たことでiPodの普及を押し進めましたしね。

吉田 ほかにも、Kindle Fire並みの格安モデルは必要だと思う。大量導入するなら予備を確保しなければいけないわけだしね。過去の機能と端末をすぐに切り捨てるアップルの先進的な姿勢も、互換性や安定性を重視する法人販売の分野では相性が悪い。だって、大量導入したiPad 2が1台壊れたからって、旧機種がないからひとりだけiPad 3を導入したとなったら、それだけでいじめられるかもしれないし。

── あー、それは確かに。

 アップルは、それこそApple IIの時代から教育に力を入れていて、2000年代前半までは市場の一角を穫っていた時期もあったんだよね。米国では白いノートパソコンの「iBook」が大量導入されたりする話もあった。でもその後、あまり聞かなくなって、デルやHPに取って代わられたんじゃないだろうか。2011年1月末には「Xserve」が販売終了になって、研究分野での利用も手を引いた感じになってしまった。

 今四半期で最高の売上高を見せたように、コンシューマー向けの世界では成功しているけど、ビジネス向けはなかなか芽が出なかった。だから、もう一度、教育の分野で法人営業にチャレンジするというのは、アップルファンとしては応援したいところだけど、もう少し法人の事情を汲んでくれるとよりやりやすくなると思う。

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