音楽の最先端はクラウドにあり
ミュージシャンの新曲がガンガン上がる「SoundCloud」
いまクラウドで音楽と言われたら、ベルリン発の「SoundCloud」を外すことはできない。世界中のミュージシャンが日々オリジナル曲をアップロードし、共有/宣伝/販売する拠点として使いはじめている。アカウントを取得すると無料で120分間(2時間)の保存スペースが入手できる。料金体系はファイルの容量だけでなく、アップロードした曲の総合再生時間で変わるというユニークなシステムを採用していて、高音質の無圧縮WAV音声も扱える「音質重視」の仕組みが特徴だ。
「作曲なんてしてないよ!」という人も、Twitterのようにお気に入りのミュージシャンを「フォロー」することで、その最新作をいち早く聴き、お気に入りやコメントが付けられる。DeDe MouseやRiow Arai、七尾旅人など日本からの「参戦」者も増えてきているので、一度メンバーを確かめてみては。
iPhoneからSoundCloudへ直送!
音をシェアするのが楽しすぎるビート系アプリ
そんな「音質重視」「制作者向け」のSoundCloudは、アップロードに対応している音楽系アプリも多い。本家本元のSoundCloudアプリは録音→アップロードが一発というのが便利だ。音楽の知識がなくても使えるアプリも増えているので、音楽を使ったInstagramのような感覚で楽しんでみてほしい。
おすすめしたいのはNative Instrumentsの「iMASCHINE」(450円)。iPhoneマイクで環境音/日常音を録音し、プリセット音源と組みあわせ、ビートメイクを楽しむアプリだ。壁を蹴った音をキックとして使うなど、ストリート系の音づくりが楽しい。もう1つおすすめしたいのはKORG「iKaossilator」(1700円)。シンセサイザー「KAOSSILATOR」のアプリ版で、リズムにノってタッチパッドをなぞるだけでかっこいいループ(最長16小節のパターン音源)が作れる。本当に気軽に作曲/投稿ができるので曲作りの気持ち良さが実感できる。
メロ担当/ミックス担当をつなげるDTMerの味方
ファイルの受け渡しがスムーズなSkype
Skypeは音声/テキスト/ビデオによるチャットツールとして有名だが、ファイルの送受信がスムーズなことは意外と知られていない。特にDTM、ファイルベースで音楽を作っている人にはぜひとも知っておいてほしい。Skypeには送信できるファイルサイズに制限がなく、メールやクラウドストレージでは送れないような、RAW画像やWAV音声データのようないわゆる「生の」大容量ファイルもしっかり送れる。
転送速度はかなりの速さで、逆に言えば大容量ファイルのやりとりをすると他の通信速度を圧迫しかねないのでそこは注意。なお、フォルダーごとの転送には対応していないので、フォルダーごと送る場合はあらかじめZIPなどでアーカイブしておく必要がある。
上げて、探して、見るだけじゃなかった!
実は動画の編集もできるYouTube
最後に紹介するのは動画。動画編集と言われるとまだちょっと初心者にはハードルが高いかもしれないが、YouTubeの動画編集機能はシンプルでとても使いやすい。動画をアップロードした後、トリミング/色調補正/手ぶれ補正といった、基本的な編集が施せる。また画面全体にモザイクをかけたり、モノクロ/セピアなどフィルター効果をつけることもできるなど、動画編集ソフト顔負けの機能が揃っている。
便利なのは音声(BGM)をYouTubeが用意しているものに差し替えられること。旅行写真からスライドショー動画を作ったとき、フリーで使えるBGMが見つからなくて困った人はけっこういるはず。尺の長いものは加工時のレスポンスや、加工が反映されるまでの時間もやや遅れがちだが、10~20秒程度の短めの動画であればあまり待たされることもなくサクサク編集できる。
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