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無線LANもついにGbps時代! IEEE 802.11acは2012年に離陸

2012年01月19日 16時17分更新

文● ASCII.jp編集部

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 ブロードコムでは、現時点での最新版であるドラフト2ベースの11acに対応した、無線LANチップを4種類ラインナップする。ルーターやアクセスポイント、パソコンへの内蔵用はPCI Expressをインターフェースとして利用するが、テレビやセットトップボックス、スマートフォンやタブレット用はUSB 2.0インターフェースを使用する。

 通信速度は3本のアンテナを同時利用するハイエンド製品「BCM4360」で最大1.3Gbps。一般的な無線LANルーターが最大450Mbpsだから、3倍近い高速化が可能だ。ただしUSBタイプは、11ac部分の速度よりもUSB 2.0の実行速度の方が遅いため、このままでは性能を接続インターフェースで制約されてしまう。今後登場する次世代のチップでは、USB 3.0にも対応するという。

ブロードコムの11ac対応無線LANチップの特徴。3倍速く6倍低消費電力をうたう

11ac対応無線LANチップのスペック表。最も低速な製品でも、USB 2.0ではギリギリというレベルで、USB 3.0対応は必須だ

 CESにてデモを披露した、バッファロー 海外業務部次長の中村 新(なかむら あらた)氏によれば、CES会場でのデモでは、800~840Mbps程度という高速な通信速度を実現してみせたという。無線LAN規格の次世代版ということで、来場者の注目も非常に高かったと、中村氏は手応えを感じた様子だ。製品を想定したモックアップも出展し、2012年中に世界初の11ac対応ルーター「WZR-1750H」を海外で発売すると表明している。

CES会場で披露されたバッファローによる11acのデモの様子。パソコン対パソコンのアドホック接続を模したデモで、800Mbpsを超える速度を発揮

 ブロードコム側の見通しとしては、ドラフト段階での11acに対応した機器は、2012年中頃に、まずルーターが登場する。そしてパソコンへの内蔵は2012年第3~第4四半期、テレビやメディア機器には2012年第4四半期、そしてスマートフォンやタブレットも2012年第4四半期~2013年第1四半期に登場してくるだろうと予想している。

 気になるのは、ドラフト段階の規格を元に製造された機器が、確定した規格と異なる仕様になり、互換性で問題を生じないかという点だ。これについてHurlston氏は、11nの際にもファームウェアアップデートで対応できたし、今回もアップデートによる対応が可能なようにしていると、互換性の懸念がないことを説明した。

 また、5GHz帯(11a)の無線LANを扱えるスマートフォンが現状少ないのではという質問に対しては、米国では2011年に出荷されているスマートフォンの45%が5GHzに対応していると答えた。バッファローの中村氏も、ビデオ用途の広がりでスマートフォンの5GHz対応が拡大していることを肯定し、スマートフォンが11acの普及を妨げる要因になることはないだろうとの考えを示した。

 日本での展開予定だが、バッファローによれば法改正の必要等もあるので、2012年中の製品投入は難しいもようだ。2013年のルーター新製品あたりからの対応となりそうだが、その頃にはUSB 3.0も一層普及が進んでいるだろうから、11ac対応ルーターとの接続は、外付け無線LANアダプターでの対応というのも非現実的ではなくなりそうだ。

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