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無線LANもついにGbps時代! IEEE 802.11acは2012年に離陸

2012年01月19日 16時17分更新

文● ASCII.jp編集部

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バッファローが開発中の、世界初の11ac対応無線LANルーター「WZR-1750H」のモックアップ

 無線LANコントローラーチップなどを手がけるブロードコムは19日、都内にて記者説明会を開催し、現在規格策定中の次世代無線LAN技術「IEEE 802.11ac」について説明した。

 802.11acは、現在主流のIEEE 802.11b/g/nが使う2.4GHz帯とは異なる、11a/nと同じ5GHz帯の電波を使う高速無線LAN規格である。現在はまだ規格策定中のドラフト段階だが、先週開催されたInternational CES 2012では、バッファローがテスト機材によるデモを披露するなど、製品の登場に向けて本格的に動き出した段階にある。

 説明を担当したブロードコム上級副社長のMichael Hurlston氏は、家庭内での高画質なビデオストリーミング用途の拡大が、無線LANの伝送速度拡大を求めているとした。またパソコンやスマートフォンといった機器だけでなく、テレビやカメラ(スチル・ビデオ)、さらには自動車といった新しいデバイスにも無線LAN技術が使われるようになっていて、通信容量や通信可能距離に対するニーズも拡大しているという。これらを背景に、現状の11nではニーズを満たせず、新しい11acが求められているというわけだ。

米国でのコンテンツ別に見たネットワーク帯域のニーズについてのグラフ。ビデオ用途が急激に拡大している

無線LANを使う機器の増大を示した図。2008年にはノートパソコンやスマートフォン程度だったのが、今では家庭内のあらゆる電子機器が無線LANを使い始めている

 ブロードコムでは呼びにくい「IEEE 802.11ac」という名称でなく、新たに「5G WiFi」という通称を提唱し、今後は11ac対応製品についてこの通称を使用していくという。90年代後半に2Mbpsで始まった無線LANは、現行の11nで4世代目となり、後継の11acは5世代目。ゆえに「5G」だというのがブロードコムの主張だ。この通称は同社固有のものではなく、業界全体に対しても普及させていきたいという。

ブロードコムは11acの普及に向けて、「5G WiFi」という通称を提唱している

802.11系無線LAN技術の進化の系譜。11acは5世代目に当たる

 11ac最大の特徴は、言うまでもなく高速であること。11b/g/nやBluetooth、無線マウス・キーボードなどで混雑した2.4GHz帯ではなく、より高周波数の5GHz帯を使用し、仕様上の通信速度は最大3.6Gbpsにも達するという。現在の11nが最大で600Mbpsなのに比べると、大幅な高速化が可能だ。

ブロードコムによる11acと11n(2.4GHz)の通信速度比較。距離10m程度の室内なら500~700Mbps、家の端から端を想定した40~60mでも、11nの40~60Mbps程度に対して、200Mbps前後のスピードで通信できたという

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