ソニー「PlayStation Vita」の発売に合わせ、バンダイナムコゲームスが繰り出すタイトルが「塊魂ノ・ビ~タ」。人気タイトル「塊魂」(かたまりだましい)の続編で、Vitaのバックタッチインターフェイスで、転がす玉が伸び縮みするから「ノ・ビ~タ」という。なんだかただのダジャレのようなタイトルである。
「素敵ソング」と呼ばれるゲームのBGMは名前どおりすごい。参加アーティストは、松崎しげる、Invisible Designs Lab. 、大坂昌彦、SEXY-SYNTHSIZER、土岐麻子、中塚武、BAKUBAKU DOKIN、三宅優、百々和宏……という豪華な面々。しかし、どうも人選のコンセプトが良く分からない。そもそもゲーム自体のコンセプトが、こんな感じだ。
「巨大な王様が酔った勢いで星を壊してしまったので、その尻拭いのために小さな王子が塊を転がし、様々なものを巻き込んで星を作る」
という、なんだそれはという設定である。しかし、エンディングに松崎しげる歌うところの「愛のカタマリー」が流れると、誰もが意味のわからない感動を覚えるという。そのためか、2004年にオリジナルの「塊魂」が発売されて以降、これまでに全9作がリリースされるという人気タイトルになっている。※
※ 歴代素敵ソングの参加アーティストを列挙すると……田中雅之、新沼謙治、宇都宮隆、水森亜土、浅香唯、イルリメ、キリンジ、カヒミ・カリィ、野宮真貴、YOU、宮崎吐夢、松本伊代、鈴木蘭々、平山あや、石川ひとみ、斉藤由貴、リア・ディゾン、初音ミク、バッファロー・ドーター、セニョール・ココナッツ、YMCK、レオパルドン、レイ・ハラカミ、Hardfloor……
ひょっとしたら、これは音楽の新しいプラットフォームになりえるのではないか。いや、すでにCDやテレビ、ラジオに拠らない媒体になっているのでは? そこで「塊魂」のサウンドディレクターを務めたバンダイナムコゲームスの井上拓さん、今回の塊魂に参加しているアーティスト、SEXY-SYNTHESIZER※さんにお話を伺ってみた。
※ 2006年にTAKESHI NAGAIを中心に結成。ゲームのSEやボコーダーを多用しながらも、いわゆるチップチューンの枠に入りきれないグルーヴ感が魅力。代表曲は「Calling Me」

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