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リスティング広告の運用チートシートを作ってみた

2011年12月08日 10時01分更新

文●中野克平/Web Professional編集部

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 リスティング広告の運用にはすでに「定石」があるらしい。私自身は編集者なのでリスティング広告の運用なんて本格的にはしたことがないが、12月9日刊行のリスティング広告 プロの思考回路という書籍の編集中にそんな記述に巡り会った。本書の説明を自分なりに咀嚼して作ったのが、以下の「リスティング広告 運用チートシート」だ。

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 中小のネットショップにとってリスティング広告は重要な集客施策だが、運用を代理店に依頼するほどには予算がない。事情に詳しいWeb制作会社によると、配送作業の終わった深夜に担当者自ら管理画面と格闘するのが実状だという。

 だとしたら、「リスティング広告 運用チートシート」は役に立つに違いない。何しろ『リスティング広告 プロの思考回路』はリスティング広告の「トッププロ」7名が著者。グーグル日本法人の元メンバー4名が含まれ、しかもそのうち2名はオーバーチュア(現ヤフージャパン)にも在籍した経験がある。リスティング広告の誕生当時から最前線で活躍し続ける人たちに運よく執筆を依頼でき、その本の一部を凝縮したのが「リスティング広告 運用チートシート」。編集中、リスティング広告について尋ねられた私が、思わず運用方法について一家言ありそうな口ぶりで答えてしまった(答えた後で謝った)のは、このチートシートを密かに制作していたからなのだ。

 使い方は簡単。管理画面などで改善するキーワードを選び、コンバージョンの有無、目標CPAと比較し、コンバージョン数の多少やコンバージョン率の高低を当てはめれば、何をなすべきかわかる。たとえば、コンバージョン数はもっとも多いが、全体平均よりコンバージョン率の低いビッグキーワードのCPAが目標の2倍以上高くて困っているなら、上側の表を見て、「コンバージョンがそれなりにある」→「現状CPAが目標より高い」→「当該キーワードのコンバージョン数が全体のコンバージョン数の上位20%以内にある」→「現状CPAが目標の2倍以上である」→「コンバージョン率が全体平均より高い」と進んで、必要な施策が「クリック単価を下げる」だとわかる。下側の表を見ると、クリック単価を下げるには「ランディングページを見直してコンバージョン率を高める」ことで間接的にクリック単価を下げるか、「上限クリック単価を下げて顧客獲得コストを下げる」ことで直接クリック単価を下げればよいこともわかる。

 ただし、施策の運用や調整を誤れば逆効果にもなる。「広告文を見直してクリック率を高める」はずが、派手な広告文でクリック数ばかりが増え、コンバージョンに至らず、CPAがかえって高くなることもある。こうしたありがちな失敗を運用前に予見できるのも「リスティング広告 運用チートシート」のメリットだ。

 なお、「リスティング広告 運用チートシート」は編集部のオリジナルでリスティング広告 プロの思考回路を買っても使い方の解説はない。書籍では、リスティング広告のプロがどのように問題を捉え、解決策にたどり着くかの「思考回路」をズバリ書いてもらった。12月9日発売なので、店頭には並んでいないが、Amazon.co.jpでは予約が始まっている。リスティング広告に従事されている方には必読の内容に仕上がっているので、是非読んでいただきたい。

Image from Amazon.co.jp
リスティング広告 プロの思考回路 (WEB PROFESSIONAL)

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