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携帯電話の普及に伴い、「ケータイサイト」の利用状況を測定するモバイルアクセス解析ツールの必要性が増しています。アクセス解析の基本的な考え方はPCでもモバイルでも同じですが、デバイスの特性や技術的な制約から、PCとは異なる点も多くあります。
携帯アクセス解析結果の活用方法
携帯電話とPCの大きな違いは、携帯電話はユーザーの生活により密着している、ということです。PCはオフィスや自宅などの机の前に構えて使いますが、携帯電話であれば時間や場所を問いません。時間帯や日別のログから、ユーザーのライフスタイルや詳細なニーズを読み取れるのが、モバイルアクセス解析の特徴です。
たとえば、ある旅行会社のケータイサイトでは、台風が発生すると23時ごろにアクセスが集中します。翌日出発のツアーが予定通り実施されるかを確認するために、帰宅前のユーザーが一斉にアクセスしているのです。モバイルアクセス解析では、こうしたユーザーの動きを細かく読み取り、ニーズに応えるコンテンツを提供したり、ナビゲーションを改善したりできます。
一方で、モバイルアクセス解析では技術的な制約により、PCほど多くの情報が取得できない弱点もあります。PCのブラウザーでは、流入元のURLなどが含まれるリファラー情報が送信されますが、携帯電話では送信しない端末がありますし、個別の端末を識別するCookieが使用できない端末も多くあります。こうした弱点は、広告出稿時などにパラメーター付きのURLで流入元を特定できるようにしたり、「iモードID」などの端末識別情報を使ったりすることである程度カバーできます。
ケータイサイトでアクセス解析を実現する方法
アクセス解析ツールの多くはモバイル版を提供しており、PC用のアクセス解析を利用している企業であれば、追加モジュールを導入することでケータイサイトにも対応できます。ただし、アクセス解析ツールの解析方式によって、メリット・デメリットがあります。
Webビーコン型のアクセス解析ツールの場合、各ページに解析用のタグを埋め込むことで導入できるので比較的手軽ですが、SSL通信を利用しているサイトや端末識別情報が取得できないサイトなどでは、ログを計測できない場合があります。
サーバーインストール型やパケットキャプチャ型のツールは、PCサイトの計測と同様の情報を取得できますが、機器設置やサーバーへの専用ソフトウェアのインストールが必要になることがあります。
モバイルアクセス解析ツールは、解析したい目的のデータが計測できるか、導入のしやすさはどうかなどを総合的に判断して検討するとよいでしょう。
著者:株式会社 環
Web解析を軸に2000年創業。「誰もがチャンスをつかめる社会を創る」を理念に地方中小企業に対しアクセス解析ツール「シビラ」とWeb解析コンサルティング、Webサイトの改善やリスティングの最適化を提案している。楽天ビジネスアワードを4回受賞。JWDAウェブ解析&リサーチ委員会委員長。最近は「JWDAウェブ解析士」の運営支援も行なっている。現在Web解析に関心がある人材を募集中!