Webサイトは作って終わりというわけではありません。作ってオープンしてからが本当のスタートです。Webサイトは日々動く生き物のようなもので、新しい情報を更新することによって、再び人が訪れ活性化します。いつまでも古い情報のままでは人が寄り付かなくなるのです。公開したWebサイトを活かすために必要な作業が、Webサイトの「運用業務」です。
運用業務の基本はPDCA
「運用」とはいってもさまざまな業務がありますが、基本的なフローは「PDCA」(Plan-Do-Check-Action)のサイクルに則って進めます。
1つ目はPlan/Doにあたる「制作・更新業務」です。サイトの目的や目標に対して計画を定め、新しいコンテンツや機能を企画・制作したり、最新情報を発信したり、古い情報を削除したりします。
2つ目はCheckにあたる「効果検証」です。主に、アクセス解析によってユーザーの動向を計測することで、ユーザーがどのページをよく見てどこで離脱しているか、コンバージョンはどの程度達成できているかなどを測り、次の改善につなげます。
3つ目はActionにあたる「改善」です。効果検証の結果、どこに問題があるのか、どう改善したらよりよいサイトになるのかを検討してサイトを修正・変更します。
運用代行のパターンと契約形態
運用はWebサイトを制作したら必ず必要になる業務ですが、クライアント側、制作会社、その両方で分担する場合などのパターンがあります。
1つ目はほとんどの作業をクライアント側で担当し、制作会社は大きな追加などがあった際だけ依頼を受けるパターンです。運用コストが抑えられるメリットがありますが、クライアント側でHTMLのソースコードを書きかえるといった作業は難しく、レイアウトが崩れるなどのリスクもあるためCMS(Content Management System)を初期の段階で導入しておくことが多いです。
2つ目は制作会社が委託を受けるパターンです。毎月の作業内容がある程度予測できる場合は、業務に対する人件費などのコストを算出して金額を決めたうえで契約します。運用上、想定外の作業が起こる場合もあるので、その場合は別途費用を請求できるような契約をしておく必要があります。また、毎月の作業内容が分からない場合は、かかった作業費を後から請求したり、月の作業時間と金額を定めておき超過分は別途請求したり、といった契約を結ぶ場合もあります。もちろん、運用業務がある度に見積り・受発注するパターンもあります。運用代行を受注する際は、要望やWebの作りなどに応じて臨機応変に決めていくことが大切です。
著者:高木 結/インサイドテック
マーケティングおよびコンセプトメイキングからコミュニケーションの設計・制作を行なうクリエイティブカンパニー。「世の中にもっと笑顔を!」をスローガンに、Webを中心とする総合的なプロモーションのプロデュース、企業や商品のブランディング、ネットショップの開発運営、スマートフォン・ソーシャルプロモーション、プロダクトデザイン、自社サービスの開発など、枠に捕われない自由な発想で日々進化を続けています。