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サーバー管理者でも簡単!SANストレージ 「P6000 EVA」の実力 第2回

堅牢なハードウェアと独自の仮想化技術に迫る!

徹底解剖!P6000 EVAのハードウェアとテクノロジー

2011年11月14日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元 
記事協力●日本ヒューレット・パッカード 

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前回は、日本ヒューレット・パッカードのSANストレージ「Enterprise Virtual Arrayシリーズ(以下、EVAシリーズ)」が、なぜ10年の長きに渡って高い支持を得てきたのかを説明してきた。あらゆる用途を想定した汎用性、先進的な仮想化技術、そして使いやすいGUIツールという3つがEVAシリーズを語る上で欠かせないキーワードであることが理解できたであろうか? 今回は、最新のHP P6000 Enterprise Virtual Array(以下、P6000 EVA)のハードウェアと、最大の特徴でもある仮想化技術について見ていこう。

ミッドレンジならではの信頼性の高いハードウェア

 まずは、P6000 EVAのハードウェアを見ていこう。P6000 EVAはストレージ全体を制御するコントローラーとディスクを格納するエンクロージャーで構成され、組み合わせることでSANストレージとして機能する。

動作中のP6300 EVAの前面。上部がコントローラー、下部がエンクロージャーになる

 2Uのラックマウント型筐体を採用したコントローラーはホスト側のポート構成の違いにより、8Gbps Fibre Channel(FC)モデル、8Gbps FC&1Gbps iSCSIモデル、そして8Gbps FC&10Gbps iSCSIモデルの3モデルが用意されている。iSCSIによるIP SANの構成も可能だが、基本はFCを用いたSANでの利用がメインだ。IPに比べ、オーバーヘッドの少ないFC、しかも最新の8GbpsのFCを用いたブロック転送はきわめて高速で安定性も高い。ドライブ側ポートは6Gbps SASを採用。ホスト側ポートの高速化にあわせ、パフォーマンスを最適化できるよう、設計されている。

動作中のP6300 EVAの背面。ホスト側の8Gbps FCのポートは8ポート。写真は4ポート使用時

 キャッシュはP6300 EVAが4GB、P6500 EVAが8GBとなっており、最大96時間のバックアップが可能。また、コントローラーはいずれも80 PLUS Silverの認定を取った高効率な電源を採用し、省エネに貢献する。

 一方のエンクロージャーも2Uのラックマウント型筐体を採用しており、3.5インチのディスクを搭載できる「M6612」と2.5インチのディスクを搭載できる「M6625」の2モデルが用意されている。省スペース・省電力な2.5インチのHDDは、EVAシリーズではP6000 EVAで初めてサポートされたもの。80 PLUS Goldの認定を受けた高効率電源を採用したこともあり、旧世代のEVA4400に比べて、約40%の消費電力の削減を実現しているという。

 搭載するHDDは、高速でオールラウンドなSAS HDDと低速ながら安価なMid-Line SAS HDDの2種類が用意されているので、プライマリ用途か、バックアップ、アーカイブ用途かなどで、使い分ければよい。P6300 EVAで最大で250台、P6500 EVAでは最大450台のディスクまで搭載可能。容量ではP6300 EVAが最大240TB、P6500 EVAが480TBまで対応するので、EVAシリーズの主な用途である業務システムのアプリケーションデータの格納には十分だろう。

 こうしたハードウェア構成で、特に注目したいのは、信頼性を高めるため、あらゆる部分で冗長化が施されていることだ。CPU自体が二重化されているのはもちろん、電源、ネットワークリンク、冷却ファンなど多くのコンポーネントが冗長化されている。シングルコントローラーで、耐障害性に欠けるSMB向け製品との明確な差別化ポイントといえる。

ストレージ管理の課題を解消する独自の仮想化

 次に、P6000 EVAの機能面を見ていこう。他製品と比べたP6000 EVAのもっとも大きな差別化ポイントは、独自の仮想化機能にある。EVAシリーズも基本的にはRAID0/1/5/6をサポートするディスクアレイ装置だ。しかし、この仮想化機能の恩恵により、既存のRAIDディスクアレイ装置の弱点が一気に解消されている。

 一般的なRAIDディスクアレイ装置の場合、複数の物理ディスクを束ねたRAIDボリュームをサーバーごとに構成し、容量管理を行なう。しかし、この場合、RAIDボリュームごとに管理を行なわなければならず、使用する容量がまちまちであるため、容量効率もよくない。一般的なRAIDの場合、ディスク使用率は40%にとどまるという。しかもRAIDボリュームの制限により、一方で容量が足りず、一方では容量が余っているのに、相互で融通しあえないという不自由を抱えることになる。

 これに対して、HPのEVAシリーズの仮想化機能では、搭載されたすべてのディスクを1つの仮想ディスクとしてプール化してしまう。その上で、サーバーに割り当てる容量を仮想RAIDボリューム(Vdisk)として1GB単位で提供する。しかもRAID0/1/5/6の4つのRAIDレベルを混在させることが可能で、パフォーマンスや利用効率を考慮し、自動的に最適なボリュームを構成してくれるのだ。この仮想化機能のため、管理者はRAIDボリュームの容量や管理を意識しなくとも済むし、利用効率も大幅に向上する。しかも、容量を増やしたい場合は、RAIDシステムを停止せず、ディスクをそのまま追加すれば、自動的に更新される。

仮想化により、高い容量効率を実現する

 また、RAIDの技術を用いて複数のディスクに書き込みを分散させても、従来は本数分のパフォーマンスしか出なかった。つまり、せっかく10本のディスクがあっても、4本でRAIDボリュームを構成してしまったら、4本分の性能しか得られなかったのだ。これに対して、EVAシリーズでは、本数にかかわらず全ディスクにアクセスを分散するため、ディスクを増やせば増やすほどアクセスが高速化される。このパフォーマンスについては、次回詳細を見ていきたい。

性能と容量の要件を両立させる仮想化技術

 P6000 EVAの仮想化技術は、運用管理の問題、パフォーマンス、容量効率などの課題を一挙に解決する画期的な仮想化の実装といえる。既存のRAIDディスクアレイの弱点を解消する技術は、最近では他のベンダーでも実装しつつあるが、いち早く実装したEVAシリーズはなにしろ10年間の実績がある。P6000 EVAシリーズは、最新の製品であるとともに、多くのユーザーに使われてきたEVAシリーズとしての安心感がある。それは企業のストレージ選びで特に重要なことといえる。

ストレージ管理やバックアップ・DR支援機能も充実

 こうした独自の仮想化技術をベースに、P6000 EVAではシンプロビジョニングやDynamic Capacity Managementなどストレージ管理を効率化する機能がいくつも提供されている。

 シンプロビジョニングは、物理容量以上の仮想ボリューム容量をホスト側に見せかける機能。特定のホストに対して、あらかじめ容量を確保しておく必要がないので、ディスクの利用効率を大幅に向上できる。また、ホスト側からの書き込みに応じて、必要な容量を自動的に確保してくれるので、手動でボリュームを割り当てる作業が不要になる。さらにボリュームを自動的に最適化する「Dynamic Capacity Management」と併用することで、ストレージの管理負荷を大幅に軽減できる。

P6000 Business Copyの多彩なレプリケーション機能

 また、「P6000 Business Copy」というレプリケーションソフトウェアを使えば、効率的なバックアップが可能になる。コピーボリュームを作成する従来のスナップショットに加え、スナップショットの作成後に空き容量を確保して、データ変更分だけ書き込む「Vスナップ」、バックグラウンドでデータのクローンを作成する「スナップクローン」、差分同期やインスタントリカバリを実現する「ミラークローン」など多彩なコピー機能が用意されている。さらにアクセス頻度に合わせてデータの格納位置を変更する階層化管理をワンタッチで行なえる「ダイナミックLUN/RAIDマイグレーション」という機能も備えている。

 その他、昨今のストレージで特に重視されているDisaster Recovery(DR)に関しても、ミラーリングやDRの自動化などを可能にする「P6000 Continuous Access」、サーバークラスターとP6000 Continuous Accessを連携させ、遠隔のバックアップサイトに対し、短時間でシステムをフェイルオーバーさせる「P6000 Cluster Extension」などが用意されている。

 次回は、実際にP6000 EVAとSN6000 (HP HシリーズのFCスイッチ) を使ってSANを構築してみる。そして、GUIツールであるP6000 Command Viewの使い勝手や、仮想化技術でのパフォーマンス向上効果を見ていきたい。

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