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サーバー管理者でも簡単!SANストレージ 「P6000 EVA」の実力 第4回

P6000 EVAにベストマッチなSANスイッチ「SN6000」は強力!

「SANは難しい!」を覆す秘密兵器「HP SCM」の実力とは?

2012年02月27日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元 
記事協力●日本ヒューレット・パッカード、QLogic Limited日本支社

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前回まではP6000 EVAのキーテクノロジーである仮想化技術の詳細、ハードウェアやソフトウェアの構成、設定や運用管理で利用するGUIツールなどを紹介してきた。最終回では、趣向を変えてSANストレージのメリットとFCスイッチの機能に焦点を当ててみる。

SANのネガティブイメージを壊す「HP SCM」の正体

 ここまで見てきたとおり、信頼性や拡張性にも優れ、価格面でもお手頃になったP6000 EVAだが、Fibre Channel(以下、FC)を用いたSANストレージという説明で、「はたと引いてしまう」ユーザーもいるかもしれない。ストレージのブロック転送に最適化されたプロトコルスタックを持ち、信頼性、セキュリティ、パフォーマンス等の面で優れるFCだが、使ったことのないユーザーにとって、FCのSANは「高価で」「難しい」「エンタープライズ向け」というイメージがあるからだ。

 実際、FCはSAN(Storage Area Network)の基盤プロトコルでありながら、IPやEthernetとまったく異なる技術で構成されており、ネットワーク技術者には取っつきにくかった。FC-ALやWWN、ゾーニングなど独自の用語も多く、設定や運用管理も専門のエンジニアが行なうのが普通だった。

 こうしたSANの敷居の高さを解消するのが、第3回の検証環境で用いた「HP SN6000 スタッカブル ファイバーチャネル スイッチ」に標準添付される「HP SCM(SAN Connection Manager)」だ。

20個の8Gbpsデバイスポートと4個のスイッチ間接続専用ポートを持つHP SN6000 スタッカブル ファイバーチャネル スイッチ

 HP SCMは、ストレージ、スイッチ、HBA、Windowsのディスク管理など従来別々で提供されていたツールを1つのGUIで統合した設定・管理ツール。HP SCMを使えば、つなぐだけで設定自体はほぼ完了してしまう。FCでのインターフェイス識別子であるWWNも自動的に登録でき、面倒なゾーニングの設定も特に必要ない。さらにHP SCMではネットワークだけではなく、接続先となるストレージやサーバーのHBA(Host Bus Adaptor)の設定まで一元的に行なえる。実際に、32台のブレードに64個のLUN(Logical Unit Number)を作成するという作業の例をとると、他社では11時間かかるのに対して、HP SCMを使えば、1時間で済んでしまうという。「難しい」というSANのイメージをあっさりと壊してしまう革新的なソフトウェアなのだ。

SANの設定や管理を劇的に簡素化するHP SCM

 SANの設定・管理を劇的に簡素化するこのSCMは、米国QLogic社(以下、QLogic)のOEM製品である。HPは、FCスイッチとしてQLogicの製品のほかにBrocadeとCiscoの製品をOEMで提供している。HP SCMは、QLogicからのOEM製品であるHシリーズのFCスイッチ(SN6000および、エントリ向けのHP 8/20q FCスイッチ)に無償添付されている。

エントリ向けのHP 8/20q FCスイッチ

HPオリジナルの付加価値でConverged Infrastractureを支える

 QLogicは、FCやEthernet、InfiniBandなどのインターフェイスやスイッチなどのネットワーク機器ベンダーで、ASICをベースにした低消費電力・ハイパフォーマンスな製品を提供している。たとえば、QLogic提供のFC HBAは仮想化環境での使用を考慮して設計されており、最近主流となっている仮想化環境で高いスケーラビリティを持っているという。

 QLogicはOEMビジネスを主としており、HPとのパートナーシップは10年以上におよぶ。ボリューム面でも最大の販売先になるという。HPのほとんどのサーバーでQLogicのHBAが搭載可能なほか、ストレージ側でも多くの製品でQLogic製のチップが組み込みで使われている。また、HPのBladeSystemに組み込まれているHPバーチャルコネクトFCやHPバーチャルコネクトFlexFabric、さらにはデータマイグレーションで用いられている技術も提供しているという。

 HPとQLogicとの協力関係は、広範かつ緊密であると言えるだろう。QLogicがHPにOEM提供する製品にはHPだけの機能が付加されていることも多く、それがHP製品の差別化された優位性に貢献していることは特筆すべき点である。HP SCMもそのようにしてQLogicから提供されているHP独自の機能だ。QLogic Limited日本支社 市場開発 ディレクターの山内正光氏は、「単に他社と同じものを提供しているわけではありません。HP SCMやバーチャルコネクト製品などでHPのConverged Infrastructure戦略を支えて、HPの差別化されたソリューション提案のお手伝いをしています」と語る。

QLogic Limited日本支社 市場開発 ディレクター 山内正光氏

 SN6000はそのほかにもユニークな機能をいくつも持っている。たとえば、ISL(Inter-Switch Link)専用のスイッチ間接続専用ポートを使って最大6台までスイッチをスタッキングすることが可能であり、最大120ポートまで拡張できる。また、トランキングと呼ばれる複数ポートを自動的に束ねる機能が標準でついているので、特に意識しなくてもフルの帯域を有効に使うことも可能だ。

SN6000ではISL(Inter-Switch Link)専用ポートを使って最大6台のスタックが可能

 また、ファブリック内のサーバーがダウンするなどした際に、他のストリーミング等のトラフィックへの影響を自動的に回避するI/O Stream Guardのような技術も持っている。QLogic Limited日本支社 システムエンジニアの矢田士朗氏は「HP SCMもそうですが、Hシリーズの製品はわかりやすさ、使いやすさに重点を置いています。Hシリーズスイッチはライセンスの追加や設定を行なわなくても、各機器をつなげるだけでさまざまな機能が最適な状態で使えるようになっています。さらに、詳細な設定を行ないたいお客様には、コマンドラインインターフェイスなどの設定方法も提供しています」と述べる。

QLogic Limited日本支社 システムエンジニア 矢田士朗氏

SANストレージはもはや高嶺の花ではない

 もちろんSANに関しては、高価という課題もある。HBAやFCスイッチなどの対応機器がコモディティ化の早いEthernetに比べて高価であるため、SMBにとって敷居が高かったのも事実だ。

 しかし、昨今のストレージは、FCやEthernetなどインターフェイスを問わずに利用できる「ユニファイド化」が進んでおり、SANストレージだから高価という事態はもはやなくなりつつある。実際、P6000 EVAのエントリモデルは300万円台からになっており、以前のSANストレージのような価格ではない。HPストレージ事業本部 製品マーケティング部の齋藤 貴氏は、「P6000 EVAの価格も下がりましたし、Hシリーズはコスト面でも他社製品に比べて優れている。初めてのSANに最適です」とP6000 EVAとSN6000のコストパフォーマンスの良さを強調する。

HP エンタープライスサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 HPストレージ事業本部 製品マーケティング部 齋藤 貴氏

 さらに齋藤氏は、「弊社としては、製品単体ではなく、トータルのシステムとして販売しているので、スイッチは陰の立役者的なイメージです。だからこそ、壊れない信頼性、手間をかけない設定・管理、そして低廉なコストが特に重視されます。Hシリーズの製品は、こうしたニーズをきちんと満たしています」と述べ、QLogicとのパートナーシップの意義を強調する。

 また、1Gbpsから一気に10Gbpsに高速化したEthernetに比べ、1Gbps、2Gbps、4Gbps、8Gbpsへとステップを経てきたFCの歩みが遅く見えるユーザーもいるかもしれない。FCの場合、プロトコルオーバーへッドのあるIPやEthernetに比べて、スループットが優秀なのも事実だ。「この2~3年でiSCSIの製品がけっこう売れ出していますが、まだ1Gbpsがメイン。10Gbps Ethernet対応の製品も増えてきましたが、実質のスループットはまだまだ8Gbps FCが上だと思っています」(矢田氏)。

 設定や管理も容易で、安価。性能もきちんと保証されているのであれば、P6000 EVAのようなSANストレージをぜひ選択肢に入れるべきだろう。「従来、SANは難しいものと思われていましたが、HP SCMを活用すれば、ユーザー企業の担当者様自身で容易にSANの構築や運用をすることが可能になります」(山内氏)ということで、ストレージだけではなく、SANの設定や運用管理まで自前でできるのは大きい。P6000 EVAとSN6000は、今まで高嶺の花であったSANにチャレンジするのに最適の組み合わせといえよう。

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